革修理｜東京都 世田谷区の革修理なら革研究所 世田谷店

こんにちは

革研究所 世田谷店です。

 

ジミーチュウ エナメル パンプスのご紹介です。

使用感はさほどないプレーンパンプスです。

あまり履かず保管していたところ元はピンクベージュ系だった色が

変色して濃い黄色になってしまったそうでエナメル膜が劣化して端がひび割れた箇所もありました。

このままでは履くことができないので修理してほしいとのご依頼をいただきました。

ご希望は同色での染め直しではなく黒へのカラーチェンジとなります。

 

Before　一見して黄色系のパンプスのように見えます。

　

Before　　

Before  ステッチの外側のエナメル膜が劣化してひび割れこするとはがれてくる状態でした。

After　　同色ではなく黒にカラーチェンジしました。

Before

After 　

Before

After

Before

After　劣化したエナメル膜をはがして下地をならして段差を抑え

　　　　カラーチェンジ・エナメル施工をしました。

　　　　荒れた感じも治まり目立たなくなりました。

 

エナメルの革部のカラーチェンジの後　ヒールのプラスチック樹脂の部分もカラーチェンジしました。

Before 　ヒールの色が元の靴の色となります。

After

Before

After　全体が黒になるとイメージも大きくかわり高級感が出ます。

After

 

ジミーチュウはイギリスの靴を中心とした革製品で人気のあるブランドなので

パンプスが多いですが靴の修理のご依頼をよくいただきます。

ジミーチュウというとアイコンの星型のスタッズのイメージがありますが

きれいなデザインのプレーンパンプスのご依頼となります。

 

お客様は購入された後あまり履かずに箱にしまわれていたそうですが保管中にエナメル膜が

劣化して変色しまったく違う色になってしまったそうです。

変色したものの色のムラはあまりないのでこのままで履こうかとも思われたそうですが

ステッチの外側の部分がはがれた箇所があり広がってきているので修理が必要とだと判断され

修理のできる業者を探され当方のエナメル パンプスの修理ブログをご覧になって

お問合わせをいただきました。

 

拝見しましたがエナメル膜が劣化した部分はもろくなっておりこすってみるとはがれてきます。

エナメル素材の劣化は保管中に起きることが多く

素材の特性上「高温・多湿」に弱いことが原因となります。

 

このような状態の場合はがれた箇所は一部でもエナメル膜は劣化しているので見た目には

問題なくても下で劣化が進行している場合があります。

修理は上から塗装して覆い隠す方法となるので劣化した箇所があるとはがれてくる場合があるので

先に状態を確認してからの作業となります。

 

お客様に先に方法をご説明して靴をお預かりし傷んだ箇所を中心に軽く研磨して状態を見ましたが

ステッチの外側以外はエナメル膜も密着しており問題ないと判断しましたので結果をご連絡し

仕上がり感をお伝えしてご了承をいただき修理を進めました。

 

カラーチェンジですが基本

薄い色→濃い色

への変更が可能です。

カラーチェンジしたい色が元の色と同等以上でも可能ですが

黒・こげ茶・濃紺など濃い色の場合「下染め」といって先に染料で色の土台を作り

その後「本塗装」の染め直しとなり都合二回の塗装ができるのでより濃く均一な色に

できるメリットがあります。

 

カラーチェンジの工程ですが

●クリーニングして汚れを落とす

　靴は汚れているのでしっかり行います。

●劣化してエナメル膜がはがれた箇所を研磨

　エナメル膜は厚みがあるのではがれた箇所とはがれていない箇所は段差ができます。

　その感じが残らないよう研磨してならしますが見映えにも影響するのでていねいに行います。

　部分が終わったら全体も研磨して塗料の密着性を上げるようにします。

●非施工面のマスキング処理

　外側のエナメル部分と内側の革は縫い合わさって密着しているので塗料がにじまないよう

　にマスキングしていきます。

●黒い染料で下染め

　下染めの段階である程度カラーチェンジしたい色にできると色ムラも出ず色を均一にできます。

　染料は一回では濃くできないので塗布と乾燥を繰り返ししっかり色を入れていきます。

●塗料の密着性を上げる下地処理剤の塗布

●黒い塗料で色を均一にする染め直し

●エナメル施工

となります。

 

靴の場合のエナメル施工ですが左右となるので塗料を塗布後 ならべて見てエナメルのツヤ感・厚みが

揃っているか確認しながら進めます。

 

エナメル施工は施工中塗布した部分を触ったりやり直しが効かない作業となるので毎回緊張しますが

ツヤ感も合ってきれいにカラーチェンジができました。

 

お客様に仕上がりのご連絡をして喜んでいただきましたがヒールのプラスチック樹脂の部分も

黒い色にしてほしいとのご希望となり続けてその部分のカラーチェンジを行いました。

 

プラスチックのカラーチェンジですが革の部分と方法・工程が違ってきます。

注意点としてパンプスのヒールはご使用ですれたり・ぶつけたりということが

よく起きる箇所となります。

カラーチェンジは可能ですが下の樹脂の部分まで黒くはできないので

ぶつけたりしてはがれると下地の色が出る場合があります。

先にお客様にご説明してご了承をいただき進めます。

 

プラスチック部分ですが研磨して塗料の密着性を上げる処理はいっしょですが

使う塗料は重ね塗りで厚みの出せるものを塗布します。

そうすることで仮にぶつけたりしても下地まで出ないようにするためです。

 

ヒールの部分のカラーチェンジを行うために今度は逆に施工の終わったエナメル部分の

マスキング処理が必要となり気を使う作業となります。

 

エナメル部分と素材が違うので感じの違いは多少でますが黒い色も乗って

ヒール部分もきれいにカラーチェンジできました。

 

全体が黒になると雰囲気も大きく変わり高級感が出ます。

ご希望の色になりまた履けるようになりました。

お客様にも仕上がりをたいへん喜んでいただくことができました。

ご依頼をいただきありがとうございました。

 

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エナメル素材も対応いたします。

 

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