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革修理ブログ
2024/12/12
【Gucci 財布 修理】 グッチ 長財布 色はげ・色あせして使用感のある財布の染め直し
こんにちは
革研究所 世田谷店です。
グッチ 長財布のご紹介です。
素材は柔らかいカーフレザーにGGマークを型押ししたシマレザーとなります。
長いご使用で角や折れ曲がり部分がすれ革の下地が出ていました。
経年で色もあせ使用感があるので修理してきれいにしてほしいとのご依頼をいただきました。
Before
After
Before
After
Before 角は革がすり切れて横に幅広く穴が開いていました。
After 開いた穴を樹脂で埋めて補強しました。樹脂は硬いのですれにも強いです。
Before
After
Before 折れ曲がり部分のふくらんだ箇所もすれて小穴が開いていました。
After こちらも樹脂で埋めて形を整えました。
Before
After
Before
After
グッチのシマレザーはグッチの象徴であるGGマークをエンボス加工したもので
バッグや財布などいろいろなアイテムに使われていて人気が高いので修理のご依頼を
よくいただきます。
色はやはり黒が主ですがこげ茶やベージュ系も多く型押し革なので見た目に立体感があり
一目でグッチだと分かるので街や電車の中でお使いの方をよくお見かけします。
ご依頼の財布はシマレザーの黒になりますが長年のご使用で角やパイピングが
すれて色がはげ革の下地が出た状態で穴が開いた箇所もありました。
長財布で収納部分やカードホルダーも多いので財布自体が重くなり角はどうしてもすれやすく
柔らかい革ということもあり傷みは進んでしまいます。
さすがにここまで色がはげると財布は人目にも触れるので出すのがはばかられますよね。
ブランドの財布だといっそうだと思います。
お客様は使いやすく気に入っているので修理しようと業者を探されたそうで当方のグッチの
財布修理のブログをご覧になってお問合わせをいただきお持ち下さいました。
修理ですが穴の開いた箇所は革そのものを直すことはできないのでこのような場合
樹脂で埋めて目立たなくし強度を上げる方法となります。
パイピングに穴は開いていなくても革がすれてささくれたようになった箇所も部分補修して
劣化の進行を抑えるようにした後全体を黒で染め直しする修理内容をお客様にご説明して
修理を進めました。
染め直しの工程ですが
●クリーニングして汚れをしっかり汚れを落とす
使い込んだ財布は汚れや皮脂の染み込みがあるので脱脂処理を通常行いますが
革の脂分が抜けてカサついていたので軽く脱脂して革を傷めないようにしました。
●パイピングの傷みの部分補修
穴の開いた箇所は穴の周りを接着した後 樹脂で埋めて目立たなくします。
樹脂は元は液状なので一回では埋まらず塗布と乾燥を繰り返し少しづつ積層していきます。
ある程度厚みが出たら研磨して形を整え丸みを出します。
革ではありませんので見た感じやツヤ感は変わりますが乾くとプラスチックのように
硬くなるのでパイピングなど傷みやすい箇所の補修には適した方法となります。
●革の補修溶剤を浸透させすれ・革質を改善する下処理
表皮が荒れた箇所は塗布・乾燥後軽く研磨してざらつきを抑えます。
柔らかい革ということもありあまり研磨すると周りと感じが変わるのである程度までと
なりますので傷みの大きい箇所は多少荒れた感じは残りますが目立つ範囲ではありません。
●染料で下染め処理
色あせが大きかったので黒い染料を浸透させてムラ感を抑える処理を先に行いました。
ある程度染料で黒い色を戻せると塗布する塗料の量を少なくでき革の風合いを保つことが
できるメリットがあります。
●黒の顔料(油性)で色を均一にする染め直し
●仕上げに色止め・ツヤ感の調整のクリアー塗装
となります。
傷みの大きい箇所も多く革の脂分が抜けてカサついた感じになっていましたが
補修剤の効果で革に潤いが戻りしっとりとした感じになりました。
革が荒れた感じが多少残る箇所もありますが黒い色もはっきりして
強かった使用感を抑えることができました。
気になる点は改善できましたので気持ちよくお使いいただけます。
お客様にも仕上がりをご覧になってきれいになったとたいへんご満足をいただくことができました。
ご依頼をいただきありがとうございました。
修理は傷みが少ない内が仕上がりもよくでき費用を抑えることができます。
傷み始めたら早めのご依頼をおすすめいたします。
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