革修理ブログ

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2022/12/06

【Goyard バッグ修理】ゴヤール バッグ 持ち手の傷み・四隅の穴開きを修理しました

こんにちは

革研究所 世田谷店です。

 

ゴヤール サンルイ トート バッグのご紹介です。

ゴヤールの持ち手の修理のご依頼をよくいただきますが

当方では初めて見るタイプで片側がゴヤールのパターンの樹脂コーティング

もう片側が柔らかい白いラムレザー製のリバーシブルになったタイプです。

 

修理のご希望は

●経年と使用で持ち手の樹脂がはがれて芯材が見えベタつきが出てきた持ち手の修理

●白い革面の四隅がはがれて革の下地が出て目立つようになった

の二点を修理して目立たないようにしてほしいとのご依頼です。

 

Before 樹脂コーティング側

     この状態ですと通常のサンルイのトートバッグと同じに見えます。

After

Before 白いラムレザー側

After

上から見るとこうなっています。

Before 樹脂が劣化してひび割れて芯材が見えた箇所があります。

     この状態ですと新しくコバ樹脂の再生は可能です。

After

After

After 持ち手の根元が傷んでおり修理ではなく新しい持ち手を作成し交換しました。

Before 白い色ということもありすれた箇所は目立ちます。

After 革も荒れて傷んでおり今後の使用を考えて革を当てて縫製をしました。

    同じラムレザーではなく丈夫な牛革を使用しましたので強度もあります。

Before

After ふくらんだ部分の色はげは部分的に補色・補修をして目立たなくしました。

 

ゴヤールのバッグの修理のご依頼をたくさんいただきます。

修理のご依頼は大きく

●持ち手の傷み

●持ち手のコバ樹脂の劣化

●四隅の穴開きや傷み

となります。

 

年間を通じてゴヤールのバッグの修理のご依頼は多く

よくあるご依頼の内容と修理方法をご説明いたします。

 

【持ち手の樹脂の劣化やベタつきの修理】

持ち手の修理で多いのはコバ面の樹脂が劣化して溶けてベタつき

洋服やバッグ本体について持つことができない状態のものです。

夏場のご依頼が一番多く熱で溶けたようになってしまった場合ですが

一度溶けると劣化が原因ですので元のように固まることはありません。

原因は天候や気温・湿度も関係しているようです。

 

ご依頼でよくある状態のものが気温の高い季節はベタつきがひどくなりますが

冬場など気温が下がり多少おさまるようで修理をされず経年したものです。

 

ベタつく樹脂は汚れが付きやすいのでそのまま使い続けるとこのような状態になります。

 

こうなると溶けた樹脂が革部やステッチにこびりついてしまいます。

クリーニングしても簡単には落ちないのでせっかくコバ樹脂を再生して

使えるようになっても使用感は残ってしまいます。

 

今回のご依頼のものは樹脂は硬くベタつきはないのですが樹脂そのものが

ひび割れておりはがれてくる主な原因は経年したことによるものです。

 

同じ事例 白い樹脂がぽろぽろはがれてくる状態です。

 

修理の方法として

溶けている場合樹脂をスクレイパーのような薄い道具でできるだけはがします。

劣化した部分をはがすと下地は乾燥するので土台ができ新しい樹脂を再生できるようになります。

劣化してひび割れたものは軽く研磨して樹脂をはがします。

 

今回ご依頼のものも一見樹脂の再生ができそうなのですが

細くなった付け根の部分の革が柔らかくなって芯材も傷んでいました。

 

 

こうなると修理しても革自体の強度は上がらないので近い将来切れてしまうことが予想され

先々の使用を考えて新たに作成し交換をしました。

 

【持ち手の作成・交換】

作成は近似の革を使い同じ仕様にするので雰囲気を損ねることはありません。

黒以外の茶系などの一般的な色ですと色の差異はあまり出ませんが

特殊な色や微妙な色合いの場合多少の差異が出ますが大きな違いまでにはなりません。

 

注意点として

作成の場合オリジナルと一点同じにできないのが持ち手の厚みとなります。

サンルイのバッグは持つ箇所が一番厚みがあり付け根の部分にいくにしたがって薄くなります。

作成の場合は全体の厚みが均一になります。

ただオリジナルの一番薄い根元より全体を厚めにするので耐久性があります。

また革の間に芯材を入れる方法ではなく厚みのある革二枚を貼り合わせるので

強度はあります。

 

 

【今回のご依頼分の四隅の傷みの修理】

ラムレザー側の四隅は革が柔らかく部分的に補色・補修は可能ですが

バッグに物を入れると大きさもあるバッグで物を入れると重くなりすれるので

修理をしても同じようにはげてしまいます。

 

そのため硬さのある丈夫な牛革を当て革して縫製し強度を確保する方法としました。

本体は使用感もある白い革ですので当てる革は同じ白でも

多少の色や革の感じの違いは出ますが四箇所均等に当てるとバランスは取れるので

補修感が大きくでることはありません。

 

【樹脂コーティングの穴開きが大きい場合 革当て縫製】

通常の樹脂コーティングの場合は

持ち手の革の色に合わせて革当てをします。

 

Before

After

 

【四隅の穴開きが小さい場合の修理  樹脂で埋める方法 】

サンルイのバッグの四隅はピンポイントで傷み始めます。

当て革をするほどではないが穴が開き始めたら

裏に革を当て表から樹脂で埋める方法があります。

樹脂は硬いので角が当たってもそう傷まず穴が広がらないよう

抑止する効果は大きいです。

 

Before

After

 

ゴヤールのパターンの再現はできませんが

メインの色に合わせて樹脂で埋めるので目立つことはありません。

 

Before

After

 

【そのほかの修理 クリーニング+防汚施工】

持ち手の修理をされる場合いっしょにおすすめしているのが

樹脂コーティング部分のクリーニング+トップコートのクリアー塗装です。

 

方法は洋服のように丸洗いではなくクリーナー液を使ってブラッシングを

繰り返し行い汚れを落とします。

白や薄い色は特にですが黒や濃い色でも経年すると汚れはつきます。

そうなるとべたついたりテカリが出ます。

トップコートのクリアー塗装は汚れを落とした後施工します。

薄い膜ができるので汚れがつきにくくなりテカリも落ち着いて

自然なツヤ感になります。

Before

After

Before

After

Before 

After

 

傷み具合によって修理内容や方法をご提案しますが

状態がいいほうが費用も抑えることができ仕上がりもいいです。

傷み始めたら早めのご依頼をおすすめいたします。

 

革製品の修理 補修 染め直しなど革のことならお気軽に 

革研究所 世田谷店にお問合わせください。

 

東京都世田谷区新町2-17-9

TEL:03-6426-8548

info-setagaya@kawa-kenkyujyo.net

 

ご来店は13-18時で承っております。

定休日:火曜日

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店舗情報

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代表者 酒井 大亮
所在地 〒154-0014 東京都世田谷区新町2-17-9
※ご来店の際は事前にご連絡下さい。
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