革修理｜東京都 世田谷区の革修理なら革研究所 世田谷店

こんにちは

革研究所 世田谷店です。

 

シャネル エナメル トートバッグのご紹介です。

経年とご使用でエナメルのツヤがくすんでくもったようになり

使用感が出てきたので修理してほしいとのご依頼です。

 

Before　大きなサイズのバッグです

After

Before　

After

Before　近くで見るとくすんだ感じが分かります。

After　ツヤ感は上がりました。

Before

After

Before

After

Before　すれて白っぽくなった線の箇所がありました。

After

Before

After　ツヤ感も戻りました。

 

シャネルの大型のエナメルトートバッグです。

今までご依頼をいただいたエナメルバッグの中では一番大きいサイズでした。

お客様はエナメル素材なので水にぬれてもはじくのでいいだろうと雨の日ばかりに

使われていたそうです。

おそらくですがエナメルは普通の革より丈夫そうに見えるので

使用後のケアもされていなかったのだと思います。

 

革製品は水分に弱いので雨の降る日には使用しない方がいいにこしたことはありません。

使用感もさほど出ておらずバッグそのものは大きな傷みはなく状態はいいのですが

雨天の使用もあったせいかエナメルのツヤはくすんでいました。

大きいバッグなのでくすんだ感じになると使用感は出てしまいます。

 

長く使いたいので修理できる業者を探されたそうですがエナメル素材ということもあり

断られることが多く当方のシャネルのエナメル施工の事例ブログに行きあたったそうで

お問合わせをいただきました。

 

修理ですがエナメル部分に傷みがないと染め直しをせずにエナメル施工のみを

行うこともできます。

色を乗せませんのでオリジナルの色合い・感じも残すことができます。

黒以外でしたら修理は染め直しになるので色の塗装があり完全な同一色は

できないので多少の色の差異がでます。

 

ご依頼のものは黒でしたので染め直しをせずエナメル施工のみが可能な状態でしたが

すれて白っぽくなった線キズのようなものもありせっかく依頼をするので

修理の機会で改善したいということでしたので染め直ししてエナメル施工を行いました。

持ち手はあせた感じもありませんでしたので現状として施工せず本体のみとしています。

 

修理の工程ですが

・クリーニングしてしっかり汚れを落とす

・軽く研磨して下地を整え塗料の密着性を上げる下処理

　番手の高いスポンジペーパーを使用して研磨します。

　中央にシャネルマークのステッチがあるので糸を傷めないよう

　ていねいに行います。

・塗料の密着性をあげるための溶剤を塗布

・黒い塗料を塗布して色を均一にする染め直し

　黒の場合塗料がムラなく均一の乗ったか確認するため天気のいい明るい時間

　に行います。

・エナメル施工

となります。

 

エナメル施工は途中で物に直接触れることができずやり直しが

効かない作業なので毎回緊張します。

エナメル塗料は特性上空気中の微小なホコリを吸うのでその改善のために

作業環境をきれいに掃除してから行います。

 

修理は革製造時のように均一な平面塗装ではありません。

大きいバッグでシャネルマーク以外はフラットな一枚ですので均一にムラなく

エナメル塗料が乗るように確認しながら慎重に行います。

表面と裏面に差異が出ないよう合わせていきました。

 

染め直しで黒い色もはっきりしてエナメルもムラなく乗りましたので

きれいに仕上げることができました。

ツヤも戻り気になっていた箇所も改善できましたので気分も新たに使っていただけます。

 

お客様にも仕上がりにたいへんご満足をいただくことができました。

ご依頼をいただきありがとうございました。

 

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