革修理｜東京都 世田谷区の革修理なら革研究所 世田谷店

こんにちは

革研究所 世田谷店です。

 

ボッテガ ヴェネタ イントレチャート 二つ折り財布のご紹介です。

元々は薄いベージュ系の財布だったそうですがご使用と経年で

編み込み部分などの色がはげて目立つので修理してほしいとの

ご依頼をいただきました。

 

Before　

After　

Before 　白系だと色はげは目立ちます

After　　

Before　　

After　色の基準は内側にしました

Before　革が縮んでコバ樹脂も荒れていました

After　コバの樹脂を再生しました

Before

After

Before

After

Before

After

 

ボッテガ ヴェネタの革製品の修理をよくいただきますが色は黒やこげ茶の

プレーンなカラーのものが圧倒的に多いです。

ご依頼の方の年齢層も高いように感じます。

 

今回ご依頼をいただいいたものは薄いベージュカラーの二つ折りの財布で

ラムレザー製となります。

思い出してみますとボッテガ ヴェネタの財布では初めてご依頼をいただく色です。

財布は毎日使い頻繁に出し入れするので白や薄い色のものは汚れが付きやすく

黒ずんでいくと目立つのでやはりオーソドックスな色が長く使う分には好まれるのだと

思いますが白系の財布は新鮮な感じがしました。

 

状態は外側のイントレチャートの編み込みが色がはげ革の下地が出ており使用感が

強く出ていました。

革を編み込むことで合わさった部分に凸凹の起伏ができるせいもあります。

 

ボッテガ ヴェネタの財布は端がパイピング仕様・コバ仕上げがありますがこちらは

二つ折りによくあるコバ仕上げのタイプです。

革がこのような状態ですと硬いコバ樹脂とはいえ折れ曲がり部分はひび割れや欠損が

あり角も傷んでいました。

この使用感ですとブランド製品とはいえ財布は人目にも触れるので出しづらいですよね。

 

お客様は当方のボッテガ ヴェネタの財布の修理ブログをご覧になって

お問合わせをいただきました。

 

お客様の修理のご希望は

・外側 内側の色はげを目立たなくしてほしい

・コバ面の傷みをきれいにしてほしい

で二つのご依頼をいただきました。

 

修理は革の下地を補修して同色で染め直しの方法になりますが

白系で長いご使用で傷んでいたり・汚れている場合色の基準は汚れの少ない内側の

札入れなどの奥に残っている色にします。

 

元の色が残っている内側

当方の近い色の革のサンプルと比較しました。

おおむね色は合っていますので双方見ながら色合わせをしていきます。

内側全体に当てても色の相違は少ないですが

表にあててみると

 

明らかに表が黒ずんで内側と色が違うのが分かります。

今回のご依頼は直接お持ちいただきましたのでお客様に色の基準を内側にすると

長いこと表の色のイメージで使われていたので仕上がりは今の色の感じと変わりますと

ご説明をして行き違いのないように進めました。

 

同じような事例

シャネルの財布　元はピンク系ですが色が抜けてしまっています。

内側も色が抜けていますが端に元の色に近い色が残っていたので

近い色の革のサンプルと比較して色の基準を決めました。

内側全体と比較すると元はこのような感じだったことが分かりますが

表面に合わせると大きな差異が出ます。

明らかに違うのでこちらの写真をご覧いただきご了承をいただいて

色合わせをしました。

仕上がり　革のサンプルよりやや薄い色にしました。

 

修理のご依頼をいただくものは経年や長いご使用で色があせたり汚れたりしたものが

多くあります。

お越しいただくのが難しい方やご遠方の方は宅配便での受け渡しとなり

メールでのやりとりが主体となります。

色など特にそうですが仕上がり感に関わるため思い違いやイメージ違いなどが起きないよう

事前にご説明できることは可能であれば写真をお送りして

ご説明して進めるようにしています。

 

話が少し逸れてしまいましたが

ボッテガ ヴェネタの財布の修理の工程は

・白系ということもありクリーニングして汚れや染み込んだ脂分をしっかり落とす

・コバ樹脂の再生

　財布で傷みやすい折れ曲がり部分はひび割れや欠損も多いです。

　細いので革の部分に樹脂が漏れないよう注意しながら塗布していきます。

　再生は樹脂を積層しなければならないので時間がかかります。

　ある程度厚みが出たら研磨して形を整えます。

　樹脂は革の端を守る大事な役目なので長いご使用に耐えるようしっかり再生しました。

・革の表面を軽く研磨して塗料の密着性を上げる下処理

・革の補修溶剤を浸透させてすれを改善し表皮を形成する

・色合わせをした塗料を塗布して色を均一にする染め直し

・色止め・ツヤの調整のクリアー塗装

　塗料の薄い膜が一層できるので防汚の効果もあり白や薄い色にはおすすめです。

となります。

 

色合わせですが薄いベージュ系は特に難しいです。

わずかな調合の違いで色が変わってしまいますので毎回試行を繰り返し

納得のいく色が出せるまで時間がかかります。

今回も同様でしたがおおむね色も合い使用感は薄れました。

 

Before

After

Before

After

 

お客様はプレゼントされた大切な財布とのことだそうで当方にご依頼をいただきましたが

お引き取りの際仕上がりをご覧になって大満足ですと

たいへん喜んでいただくことができました。

ご依頼をいただきありがとうございました。

 

革は定期的に保湿クリームなどでケアすると劣化の進行を抑えることができます。

今はホームセンターなどでいろいろな革のケア用品が販売されていますので

革質や状態にあったものが見つけられます。

大事にされたい・長く使いたい革製品は定期的なお手入れをおすすめします。

 

バッグ  かばん　財布　靴　革ジャン　革衣類など革製品の

修理　補修　染め直し　縫製やファスナー交換を承っています。

エナメル素材も対応いたします。

 

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