革修理｜東京都 世田谷区の革修理なら革研究所 世田谷店

こんにちは

革研究所 世田谷店です。

 

レザージャケットのご紹介です。

薄いキャメル系のライダースジャケットですが経年とご使用で

色があせてムラになってしまい着られるように元の色に戻してほしいとのご依頼をいただきました。

 

Before　　

After　

Before　　

After　　

Before　　　

After　　

Before　肩周りの色抜けが顕著でした

　　

After　　　

Before

After　

Before

After

 

秋口や春先に着られる薄い革のレザージャケットの修理のご依頼をよくいただきます。

素材はラムレザーが多く柔らかい革なので着やすく重宝するアイテムだと思います。

 

ご依頼のジャケットもラムレザー製で元はキャメル系の色だったそうですが

保管は室内でハンガーにかけていて経年とご使用もあり

色がだんだん抜けてきてしまいムラになってしまったそうです。

薄い色ですのムラがあったりまだらになるとさすがに古ぼけた感じに見えるので

人前では着るのがはばかられますよね。

 

お客様は気に入っているので元の色に戻せないか修理のできる業者を探されて

当方のライダースジャケットの色あせ修理のブログをご覧になってお持ちいただきました。

 

色あせする原因ですが革の質感を出すために染料系の薄い仕上げとなっていて

染料は耐光性が弱く色あせしやすいため最初のうちはいいのですが

経年すると色の成分が抜けてしまうことにあります。

薄い色の場合はあせてしまった色と元の色の落差が少ないですが

黒や濃い色だと差が大きくなることがあります。

 

このような状態になってしまっている場合ですが元の色が残っている

ポケットの内側などを基準にします。

元の色をお客様に見ていただいてその色に合わせて塗料を調合しますが

今の現状と大きく変わる場合 今の色のイメージと相違が大きくなることも

あるので行き違いが起きないよう事前に確認して進めます。

 

元の色に近いポケットの内側

革の色サンプルと比較して感じを見ます

 

色の基準に決めたサンプルの革　

お客様にも色を比較して仕上がり感を先に見ていただき相違がないようにします。

仕上がり後の比較

おおむね色も合いました。

 

修理の工程ですが

・クリーニングして汚れを落とす

　襟裏や袖口など汚れや皮脂が染み込んだ箇所は脱脂処理をして

　脂分をしっかり抜きます。

・非施工面のマスキング処理

　ポケットが多くデザインが凝っているので時間のかかる作業となります。

　裏地も同様にマスキングします

・革の補修溶剤を浸透させてすれを改善し表皮を形成する下準備

・色合わせをして塗料を調合し色を均一にする染め直し

　薄い色は調合が難しく試行を繰り返し行います。

　納得のいく色が出せるまで時間がかかります

・色止めとツヤの調整のクリアー塗装

となります。

 

染め直しですが薄い色で塗装する場合 塗布した塗料が乾くと

ムラになる場合があり塗布と乾燥したら色がちゃんと乗っているか確認して進めます。

色が均一になったら一度ハンガーにかけて遠目で見てムラや差異が

ないことを確認して完成となります。

 

今回も色合わせに時間がかかりましたがおおむね色も合いましたので使用感は薄れました。

気になっていた箇所は改善できましたのでまた着用いただけます。

お客様にも仕上がりを喜んでいただくことができました。

ご依頼をいただきありがとうございました。

 

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