革修理｜東京都 世田谷区の革修理なら革研究所 世田谷店

こんにちは

革研究所 世田谷店です。

 

ゴヤール サンルイ トートバッグのご紹介です。

譲り受けられたバッグだそうですが持ち手の持つ部分のコバ樹脂が浮いて

はがれかけており傷みが広がりそうなので修理してほしいとのご依頼をいただきました。

　

Before　　

After　　

Before　　　

After　　

Before  コバ樹脂の浮いた箇所は小さかったのですが引っ張るとつながってはがれました。

Before  　

Before

After　　

After

 

ゴヤールのサンルイのトートバッグの持ち手の修理のご依頼を年間を通じてよくいただきます。

内容で一番多いのが樹脂が溶けてべたつき洋服についてしまうなど樹脂そのものが

劣化してしまったトラブルとなります。

 

夏場など気温が高くなると樹脂のベタつきがひどくなりご依頼も多くなる傾向があります。

傷んだ時点で修理されると仕上がりよくできますが気温が下がるとベタつきは

多少治まるようでその状態で何年か使用して時間が経過したものは

樹脂コーティング部分や持ち手の革に溶けた樹脂が付着して固まった箇所がある場合が多いです。

 

今回ご依頼をいただいたバッグの持ち手の樹脂は溶けてもおらず見た感じ問題が

ないように見えましたが持ち手の持つ部分の一部が少し浮いたようになっていました。

 

お客様はそこから広がっていくのではと思われ譲り受けられたこともあり最初から

気持ちよく使いたいと修理できる業者を探され当方のゴヤールの修理ブログを

ご覧になってお持ちいただきました。

 

このような状態の場合の修理ですが

●傷みが一部だけで他に問題がなければその箇所の部分補修

●見た目には問題なさそうに見えても劣化が全体の場合

　全部はがして新しくコバ樹脂を再生

となり「はがし作業」を行った結果で修理内容と金額が変わる点をお伝えして進めます。

 

お預かりして修理を進めたところ見た目には問題なさそうに見えましたが

コバ樹脂を引っ張ってみると簡単にはがれてくることが分かり時間もそうかからずに

全部がはがれてしまいました。

 

 

はがれた原因ですが経年に加え細い持ち手でよく動くということもあり

革の側面にコバ樹脂が完全に密着していなかったことによるものです。

 

これまで多数のゴヤールのトートバッグの持ち手の修理をしましたが

あまりない傷み方でした。

 

コバ樹脂の再生ですが

●はがれた革の側面をペーパーで研磨して荒れた感じを抑える

●色合わせをして塗料を調合しコバ補修剤と混ぜて塗布し再生

　再生は筆塗りになります。

　樹脂は元は液状なので一回の塗布では厚みが出ませんので

　塗布と乾燥を繰り返し少しずつ積層していきます。

　ある程度厚みが出たら研磨して形を整えますがオリジナルのような丸みを出すまでには

　かなりの時間がかかります。

となります。

 

当方のコバ樹脂は硬さ・強度もありますので再生すると

時間が経っても溶けてベタつくなどはありません。

色合わせしましたので元の色との相違もさほど出ずきれいに再生できました。

 

気になる点は改善できましたので気持ちよくお使いいただけます。

お客様にも仕上がりを喜んでいただくことができました。

ご依頼をいただきありがとうございました。

 

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