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革修理ブログ
2024/10/12
【Chrome Hearts バッグ 修理】 クロムハーツ パイピングに穴が開き色あせたバッグを修理しました
こんにちは
革研究所 世田谷店です。
クロムハーツ バッグのご紹介です。
硬い丈夫な革のバッグですが四隅が傷んで一か所は穴が開きプラスチックの芯材が
飛び出していました。
バッグ本体もすれや小キズも多く全体の色があせてくすんだ感じになっており
きれいにしてほしいとのご依頼をいただきました。
Before
After
Before
After
Before パイピングは厚みのある革ですが幅も広く擦りきれていました。
この状態だと目立ってしまいます。
After 伸びた芯材をカットして形を戻し樹脂で埋めてパイピングの丸みを出し目立たなくしました。
Before
After
Before
After
Before
After
Before
After
クロムハーツはレザージャケットなどの革製品に特化した人気の高いブランドなので
アイテムのバリエーションが多くバッグ・財布など修理のご依頼をよくいただきます。
独特のデザインとシルバーを使った金具なので一目でクロムハーツだと分かりますよね。
今回ご依頼をいただいたバッグは「ジムバッグ」と呼ばれるそうでヘビーレザーという
硬い堅牢な革で作られ持った感じも重量感があるものです。
これまで同型のバッグの修理のご依頼をいただいたことが何度かありますが
修理のご依頼の箇所はいずれも同じでパイピングに穴が開いて芯材が飛び出たものを
直してほしいとの内容でした。
デザイン的に底面は出っ張っているので当たりやすく堅牢な革とはいえ物を入れると
重くなるので四隅はどうしても傷んでしまいます。
ご依頼のバッグも四隅の一箇所に穴が開いてしまいその状態で長く使われたので
穴の幅もある状態でした。
ここまでになると目立ちますし使いづらくなると思います。
お客様は修理しようと業者を探され当方のクロムハーツのバッグの修理事例をご覧になって
遠方よりお問合わせをいただきました。
パイピングの穴開きの修理ですが部分補修の場合大まかにいうと二つがあります。
①穴の開いた箇所の上から革を巻いて穴を覆い強度を出す
革を当てた箇所とそうでない箇所に革の厚み分 多少段差が出ます。
厚みのある革を使うと補修感も出るのである程度の厚みとなります。
修理事例 バリーのバッグ
Before
After
②開いた穴の箇所の芯材と革を接着して固定し穴を樹脂で埋めて目立たなくする
Before
After
樹脂はプラスチックのように硬くパイピングなどすれる箇所には適しています。
革ではありませんので見た目・触感は変わりますが大きく目立つことはありません。
今回のようなクロムハーツのバッグの場合 ②の樹脂で埋める修理で直した方が
重いバッグということもあり耐久性を考えるといいので樹脂を使用した方法をご案内し
ご依頼をいただきました。
合わせてバッグ本体が経年とご使用で色があせ すれや小キズも目立つので
改善してほしいとのご希望があり全体の染め直しをご提案し修理を行いました。
修理の工程ですが
●クリーニングして汚れを落とし持ち手など皮脂が染み込んだ箇所の脱脂処理
革のシボ(シワ)も深く経年しているのでしっかり汚れを落とします。
●パイピングの穴開き箇所の部分補修
樹脂ですが元は液状なので一回では厚みが出ず塗布と乾燥を繰り返し少しずつ積層していきます。
ある程度厚みが出たら研磨して形を整え丸みを出していきます。
きれいに線がつながると仕上がりよくできますので時間をかけて行います。
部分補修が終わると次の「染め直し」の工程に入ります。
●革が硬くシワも多いので軽く研磨して塗料の密着性を上げる下準備
●非施工面のマスキング処理
ロゴプレートや金具などシルバー製なので塗料がかからないようていねいに行います。
●補修溶剤を浸透させすれ・革質を改善する下処理
●黒い顔料(油性)で色を均一にする染め直し
●クリアー塗装をして色止めとツヤ感の調整
となります。
パイピングの穴開き箇所は研磨して形を整えるので革のシワの再現はできませんが
補修感を残さずつなげることができました。
触って堅牢に仕上がったことを確認しています。
染め直しで黒い色もはっきりしツヤ感も均一になってきれいに仕上がりました。
気になる点は改善でき使用感は薄れましたので気持ちよくお使いいただけると思います。
お待たせしましたがご遠方よりご依頼をいただきありがとうございました。
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