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2024/11/18

【シャネル バッグ修理】シャネル カメリア チェーンバッグ エナメルが劣化して白くなったバッグの再生

こんにちは

革研究所 世田谷店です。

 

シャネル カメリア チェーンバッグのご紹介です。

 

素材はカメリア(椿の花)がパンチングされたエナメルになります。

古いものですがあまり使っていなかったそうで箱に入れて保管していたら

エナメルが部分的に劣化して白く濁った箇所が全面にできてしまい

使うことができなくなってしまったので修理してほしいとのご依頼です。

 

Before   

 

After  

Before  

After  

Before フラップの下は蓋が覆いかぶさった状態になるので劣化の度合いが大きくなっていました。

After  パンチングの穴の下は白い生地になった仕様でした。

     修理は黒で染め直ししエナメル施工となります。

     白い生地の色は黒になってしまいますがカメリアの感じは残りますので

     雰囲気を損ねていません。

Before   

  

After   

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After 

Before

After   

Before

After

Before

After  白くなった箇所は無くなりました。

    ツヤ感も元に戻りきれいになりましたのでまた使っていただけます。

 

 

シャネルの代表的なモチーフのひとつになる「カメリア」ですが椿の花をかたどったもので

バッグや財布など修理でご依頼をいただくことがあります。

これまで財布が主ですがカメリアを革に型押しして花の立体感を出したものを修理した

ことがありますがパンチングして花をあしらったものは初めて拝見しました。

エナメル素材で黒い色ということもあり型押し革とはまた違った控えめな印象があり

すてきなバッグでした。

 

古いバッグだそうですがほとんど使用されていなかったようでチェーン部の革は

エナメルではなくプレーンな革で作られておりよくすれる箇所ですが色もあせておらず

劣化した箇所以外は状態のいいものでした。

 

お客様は箱に入れて長いことしまっていたそうですが開けてみたら全面に色が白くなった

箇所ができており使える状態ではなくなってしまっていたそうです。

大切にしていたバッグが久しぶりに使おうと開けてみたらこのような状態だと

さすがにショックは大きかったと思います。

 

お客様はまた使いたいので修理できる業者を探されたそうで当方のシャネルの同じように

劣化したエナメルバッグの修理ブログをご覧になってお問合わせをいただきました。

 

エナメル素材ですが経年や保管状況によっては劣化が進行してしまい

変色やエナメルの膜が劣化して白くなってしまうことがよくあります。

 

エナメル素材の修理のご依頼は夏場を過ぎると増える傾向があります。

理由はエナメルは「高温・多湿」に弱い素材で熱によってエナメルが劣化しベタつきが

出てしまうケースが出やすくなります。

特に近年夏は猛暑が続く日がよくあるので保管には注意が必要となります。

一度ベタつきが起きてしまうと元に戻ることはありません。

 

このような状態になった場合の修理ですが傷んだ箇所のエナメル膜をできるだけ

取り除いた後今回ですと黒い色で染め直しして色を均一に戻しエナメル施工となります。

 

今回のバッグですがプレーンな革を使ったよくあるエナメルバッグではなく

パンチングレザーとなっています。

パンチングレザーの下はカメリアの花が映えて見えるように白い生地が使ってあります。

注意点としてその白い部分に塗料がかからなくすることはできませんので白い部分も染め直しで

黒い色になってしまいます。

パンチングの穴があるのでカメリアのモチーフは残りますが見える印象は変わってしまいます。

先にお客様に修理内容と仕上がり感を説明してご了承をいただき修理を進めました。

 

エナメル施工の修理の工程は

●クリーニングして汚れを落とす

●劣化して白くなった部分を研磨して取り除く下準備

 エナメルは乾燥しているので研磨すると粉状になって落ちます。

 このような状態になったものは見た目は白くなっておらず

 黒い箇所でも研磨すると劣化している場合が多くバッグ全体も入念に研磨して

 劣化箇所が残らないようにします。

●チェーン部・シャネルマークの金具を外し非施工面をマスキング処理

 フラップ裏側や内張りの生地はエナメル面と直に縫い合わさっているので

 塗料がにじまないようていねいにマスキングテープを貼っていきます。

●塗料の密着性を上げるため補修溶剤を塗布する下処理

 スプレーガンを使ってまんべんなく行います。

●黒い塗料を塗布して色を均一にする染め直し

●エナメル施工

となります。

 

バッグなどの立体的な箱もののエナメル施工は各面のツヤ感や塗料の厚みに差が出ないよう

各面に塗布が終わったら確認して全体が均一になるようにしていきます。

 

エナメル施工ですが作業中塗装面に触れたりすることができずやり直しが効きません。

また革の製造時のように平面な状態で塗料を塗布する方法ではありませんので

塗布していく箇所の順番を先に考えてどうしたら一番いい状態にできるかを

シュミレーションして行いますので毎回緊張します。

 

初めてのエナメル素材のパンチングレザーの修理でしたが状態もよかったので

補修跡も残らず黒い色もはっきりしエナメル塗料も均一にできました。

 

当方のエナメル塗料はツヤ・厚みがありますのでオリジナルとは多少感じは

変わりますがきれいに仕上がりました。

 

パンチングの下の白い生地の部分は黒になりましたが見た感じを損ねることなく

カメリアの雰囲気を残せたと思います。

 

お客様にも仕上がりをたいへん喜んでいただくことができました。

お待たせしましたがご依頼をいただきありがとうございます。

 

シャネルのエナメルバッグの同じような事例

 

かなり古いものでお母様から譲り受けられたものを直してほしいと若い女性の方から

ご依頼をいただきました。

 

お客様によると40年以上前のものだそうです。

エナメル膜の劣化が進行し下地まで傷んだ箇所がありましたが修理して

使える状態までに戻すことができました。

 

チェーン部の革もエナメルでしたがこちらは劣化して革が乾燥し切れてしまっていたので

新しい革に交換しました。

チェーン部の革ですが同じようにエナメルの革でも作成可能ですが当方では

耐久性を考えてプレーンな革を使って交換しています。

ツヤありの革を選びますのでバッグの雰囲気はさほど変わりません。

 

Before

After

Before

After

Before 一番傷みの大きかった箇所

     エナメル膜の劣化に加え段差や凹みもありました。

After 荒れた感じは多少残りましたがここまで戻すことができました。

Before マチの部分は乾燥してカチカチに硬くなっていました。

After

 

いかがでしょうか。

傷みがあっても処分できずお家で眠っているエナメルのバッグや財布を

お持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方はお気軽にお問い合わせください。

 

最後にエナメル素材の革製品の保管ですが

エナメルは特別だから・あまり使わないからということで箱や空気の通らない袋などに

入れてクローゼットなどに長くしまっていると劣化が起きやすくなります。

 

保管は空気の通る場所で他のものと間を開けてしまうことをお勧めします。

バッグなどハンガーラックに吊るしておくのもよいです。

 

バッグ  かばん 財布 靴 革ジャン 革衣類など革製品の

修理 補修 染め直し 縫製やファスナー交換を承っています。

エナメル素材も対応いたします。

 

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東京都世田谷区新町2-17-9

TEL:03-6426-8548

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ご来店は13-18時で承っております。

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