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革修理ブログ
2024/11/25
【PRADA 財布 修理】プラダ 財布 傷んだ角の修理 全体の染め直し
こんにちは
革研究所 世田谷店です。
プラダ 長財布のご紹介です。
素材はサフィアーノーレザーで型押し革になります。
発色のいいきれいな色の財布ですが角がすれて表皮がけずれて革の下地が毛羽立ち
黒ずんでいました。
使用感が出ていて気になるので修理してきれいにしてほしいとのご依頼です。
Before 一見すると問題ないように見えます。
After
Before
After
Before リボンの箇所はふくらんでいるので角はすれやすいです。
Before
Before 丈夫なサフィアーノレザーですが傷んで毛羽立っていました。
After 荒れた感じは残りますが目立たなくなりました。
Before
After
Before ファスナー引き手のコバ樹脂ははがれた箇所がありました。
After コバ樹脂を再生して染め直しをしました。
Before 折れ曲がり部分は傷みが大きいです。
After
Before
After
プラダのサフィアーノレザーはカーフレザーに網目のような型押しをしたもので
プラダが開発したものだそうですが今はいろいろなブランドで使われているそうです。
硬い革でキズが付きにくく耐久性もあり多少水で濡れても拭き取ればシミになることはないそうで
財布など日々ひんぱんに使うので使用頻度が高い製品には適した素材となります。
サフィアーノレザーですがもう一点特徴がありプラダの革製品の場合
型押し革の凸の部分と凹の部分の色が多少違う物がありその色の差が立体感として
革の質感や風合いを印象的にしています。
ご依頼の財布ですがきれいな発色のピンク系の色で一見すると問題なさそうでしたが
角や折れ曲がり部分・立体的なリボンの端などよく当たる箇所はすれが進行して
表皮がはげた状態で革の下地が荒れて黒ずんでいました。
薄い色や発色のいい色は最初のうちはいいのですが使用で汚れたり傷みがある場合
ある一定の線を超えると使用感として出てしまいます。
お財布はひんぱんに出し入れし人目にも触れるので傷みがあると気になってしまいますよね。
このような場合の修理ですが傷んだ箇所を部分的に補修もできますが
微妙な色合いの場合色合わせをしても完全な同一色はできませんので
色の差異が多少出て補修感が残ってしまいます。
一番目立たなくしまた使用感を薄れさせるのは傷んだ箇所を部分的に補修した後
全体を染め直しする方法となりますが先に説明しました凸と凹の色が多少違う場合
その濃淡の再現はできませんので見える印象で色合わせをします。
そのため一色となり見た感じが多少変わりますが目立つ範囲ではありません。
お客様に「部分」「全体」の修理内容や仕上がり感を先に説明しますが
ご依頼の方は全体の使用感を薄れさせてほしいご希望でしたので全体の染め直しの
方法で修理を行いました。
染め直しの工程ですが
●クリーニングして汚れを落とし手垢など染み込んだ皮脂を抜く脱脂処理
使い込んだ財布は汚れており型押し革なので凹の部分の汚れも落とせるよう
ブラッシングをしっかり行います。
●傷んだ箇所の部分補修
表皮がはがれた箇所は革の下地が出て荒れておりその箇所に
補修溶剤を浸透させ乾燥後軽く研磨して荒れた感じを抑え周りになじむようにします。
あまり研磨すると平らになって修理しない部分と差異が出るのである程度までとなります。
●全体を軽く研磨して塗料の密着性を上げる下処理
●全体に補修溶剤を浸透させすれ・革質を改善する
●色合わせをして塗料を調合し色を均一にする染め直し
微妙な色合いで発色のいいものの色合わせは難しく試行を繰り返します。
●仕上げにツヤ感の調整と色止めのクリアー塗装
塗布すると塗料の膜が一層できるので汚れが付きにくくなる効果があります。
となります。
今回のような修理は色合わせでどこまで近づけられるかで仕上がり感が違ってきます。
納得のいく色が出せるまで時間がかかりましたがおおむね色を合わせることが
できましたので傷んだ箇所を目立たなくできました。
色も鮮やかさが戻り使用感は薄れました。
角の荒れた感じは多少残りましたが気にならない程度だと思います。
お客様にも仕上がりを喜んでいただくことができました。
ご依頼をいただきありがとうございました。
修理は傷みが少ない内が仕上がりもよくでき費用を抑えることができます。
傷み始めたら早めのご依頼をおすすめいたします。
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