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革修理ブログ
2024/11/28
【Felisi バッグ修理】フェリージ ビジネス バッグ 変色してしまったバッグを元の色に戻しました
こんにちは
革研究所 世田谷店です。
フェリージ ビジネス バッグのご紹介です。
素材は厚く硬くて丈夫な牛革製でとても大きいサイズのバッグです。
元は深い紺色だったそうですが経年していくにつれ色が変わってしまい
全く違う色になってしまったそうです。
色もムラが出て古ぼけた感じになって使うことができないので修理して
元の色に戻してほしいとのご依頼です。
Before
Before 太陽光の下で見ると変色して色ムラが大きいのがよく分かります。
この状態だとさすがにお仕事で使うのがはばかられます。
Before
Before バッグ表部分の下の色ムラ
After
Before
After
Before
After 内側の取り外しができる収納部分はバッグに固定する際
見える外側のフラップの部分の革のみ紺色に染め直しをしました。
Felisiはイタリアのバッグを中心とした革製品のブランドでクラシックなデザインながら
新しい時代のエッセンスを取り入れ長く使うことを前提にして素材や製法に
こだわったブランドだそうです。
人気の高いブランドなのでお持ちの方をよくお見かけしますがフェリージのバッグと聞くと
光沢感のあるナイロン素材と革をうまく組み合わせたイメージがあります。
修理のご依頼もバッグが主ですがいただくことがありデザインや作り・革をみると
いいものを使ってていねいに作られている印象を受けます。
ご依頼のバッグですが大きなもので物もたくさん入り中にショルダーバッグとして使える
取り外しのできる収納部分があるものでよく考えられたデザインでした。
初見の仕様ですが使い勝手が良さそうです。
お客様によると元は深い紺色だったそうですが経年していくにつれ色がだんだん変ってきて
違う色になってしまい色ムラも大きくなったそうです。
変色した原因ですが革の質感を出すために染料主体の薄い仕上げになっていて
経年していくにつれ色の成分が抜けてしまったことによるものです。
染料仕上げは最初のうちはいいのですが染料は耐光性が弱く日にあたったりすると
変色してしまいこのような状態になることがよくあります。
ビジネスバッグなので変色したり色ムラが大きいとさすがに使うことができないので
そのままだったそうですが修理してまた使えるようにしたいと業者を探されたそうで
当方のフェリージのバッグの同じような修理事例をご覧になってお問合わせをいただき
お持ちくださいました。
このような状態の修理は同じ染料を使う方法ではなく
革の下地を補修した後 塗料を使って全体を染め直しする方法になります。
元の色に戻す基準となる色ですが日に焼けていない内側に紺色の部分が残っていましたが
幸いにもお越しの際お持ちだった同じフェリージの紺色のカードケースが同じ色だということで
色のサンプルとしてお預かりすることができ色合わせの基準としました。
Before 比較すると変色した度合いがよく分かります。
染め直しの修理の工程ですが
●クリーニングして汚れを落とし手垢など染み込んだ皮脂の脂分を抜く脱脂処理
●革面を軽く研磨して塗料の密着性を上げる下処理
光沢のあるつるっとした革の表面で大きく複雑なデザインなのでしっかりと行います。
●非施工面のマスキング処理
内側はきれいな色のナイロン地で塗料がにじまないようていねいにマスキングしていきます。
●青の染料で下染めする前処理
変色して大きく色が変わってしまった場合 色の落差があるので先に染料を浸透させて
色の土台をつくります。
この段階である程度戻したい色にできると本塗装で塗布する塗料の量を少なくでき
仕上がりよくできますので時間をかけて行います。
●色合わせをして塗料を調合し補修溶剤と合わせて塗布し色を均一にする染め直し
●色止め・ツヤ感の調整のクリアー塗装
大きなバッグで物を入れると重くなり角や底面などすれやすいので
通常より塗布する回数・塗料の量を多くしますが革の質感が変わらないよう確認しながら進めます。
となります。
いただいたサンプルのカードケースは同じ革製でしたので色合わせがしやすく
おおむね色をあわせることができました。
内側のナイロン生地との色のコントラストもよくなりました。
染め直しで大きかったムラ感もなくなり色も均一になりましたので
使用感の強かった感じを一掃できました。
雰囲気も変わり元の色に戻せましたので気分よくまたお使いいただけます。
お客様にも仕上がりをご覧になってたいへんご満足をいただくことができました。
ご依頼をいただきありがとうございました。
修理は傷みが少ない内が仕上がりもよくでき費用を抑えることができます。
傷み始めたら早めのご依頼をおすすめいたします。
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