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2025/02/05

【Sergio Rossi ブーツ 靴 修理】 セルジオ ロッシ ロングブーツ エナメルがはがれて履けなくなったブーツの再生

こんにちは

革研究所 世田谷店です。

 

セルジオ ロッシ ロングブーツのご紹介です。

素材は柔らかいカーフレザーの筒部分とエナメルの甲・かかとのコンビネーションになった

凝ったデザインのものです。

10年ほど前に購入されたそうですがつま先は左右の履きシワの箇所がひび割れ浮いてきた

状態になっていました。

傷みは広がっておりこのままでは履くことができないので修理できないかお問合わせをいただき

お持ちくださいました。

 

Before 一見すると問題がないように見えます。

Before 一番傷みが大きい箇所 エナメル膜が浮いてきて手で簡単にはがれます。

Before 甲の履きシワは波打った箇所に亀裂が入りその箇所からはがれてきたそうです。

Before 履きシワのはげた箇所をご自身で黒く塗られたそうで跡が残っていました。

After  

After

Before

After  エナメル膜を全部はがして黒にカラーチェンジしエナメル施工を行いました。

Before

After  カーフレザーのこげ茶色と色のコンビネーションもいいです。

Before

After  

After

After  

 

セルジオ ロッシはイタリアの高級シューズブランドでレディスの靴の修理の

ご依頼を時々いただきます。

いずれもヒールが高いものでしたがきれいなデザインのパンプスのイメージがあります。

今回ご依頼をいただいたブーツですがカーフレザーとエナメル素材を品よく組み合わせた

デザインで上質なレザーが使われていることが分かるものでした。

 

お客様は10年ほど前に購入されデザインに加え履きやすくお気に入りだったそうですが

経年していくと甲に履きシワができその部分からエナメルがはがれてきてつま先など

当たりやすい部分も同様になってきたそうです。

 

劣化が進んで履くことができなっても捨てることはできず修理できないか業者を

探されたそうですが遠方が多く宅配便でのやりとりになるため不安があり

躊躇したそうで当方のエナメル靴の修理事例をご覧になってお問合わせをいただき

お持ち下さいました。

 

拝見しましたが筒の部分のカーフレザーの部分は経年の割に傷みはなく

エナメル部分の甲やつま先に傷みが集中して起きた状態でした。

 

はがれて下地が出た部分の革を見ると柔らかく丈夫な革が使われており

このような状態が起きた主な原因は

・経年でのエナメル膜の劣化

・履くことで起きたシワにエナメル膜がついていけず浮いてしまった

こととなります。

 

エナメルのパンプスの修理をよくいただきますがここまでの状態はこれまでありません。

エナメル膜が劣化した場合 傷んだ箇所のみの部分補修はできません。

修理は上からの塗装になるので傷んだエナメル膜の上に新しい塗装膜を作っても

下が劣化しているといずれ同じようにはがれてしまうので可能な方法は

劣化したエナメル膜をすべてはがしてから染め直しして色を乗せエナメル施工となります。

 

はがれた箇所があるとはいえエナメルは丈夫な素材ですので簡単にははがれません。

お客様に修理内容と方法を説明し

・うまくはがれた場合は修理が可能

・うまくはがれない場合はその時点で修理を中止

で先にはがし作業を行うことで了承をいただき進めました。

 

はがし作業ですが近道はありませんのではがれた箇所から

少しずつピンセットを使ってはがしていきます。

見た目に問題がない箇所は塗装膜も定着しているのでなかなかはがれませんでした。

 

結果時間はかかりましたが幸いにエナメル膜をすべてはがすことができましたので

再生修理を行いました。

 

今回デザイン的に甲とかかとのエナメル部分は離れておりかかと部分のエナメルは

問題ありませんでした。

元々の色はモミ革に色の濃淡を付けた複雑な色でしたがその再生はできず

施工は一色になります。

そのため傷んだ感じを目立たずきれいな仕上げにするために同じ色ではなく

黒にカラーチェンジすることをご提案して了承をいただきましたので

エナメル部分のカラーチェンジを行いました。

 

カラーチェンジの施工ですが

●エナメル部分に問題のないかかと部分のクリーニングと研磨処理

 塗料の密着性を上げる処理を先に行います。

 

●非施工面のマスキング処理

 カーフレザーとのコンビネーションですので素材の境目にマスキングして行きます。

 革の部分はとても柔らかくデリケートな革質なので革を傷めないよう

 粘着性の弱いテープを使います。

 ベルトやバックルも付いた凝ったデザインなので時間がかかりました。

 

●黒い染料での下染め

 エナメルをはがした甲の部分の下地は染色されてない素地の白っぽい色でした。

 その上から黒にしてもぶつけたりはがれた場合白い色が出てしまうので

 先に染料で黒い色にします。

 先染めを行うことでより濃く・ムラ感を抑えることができしっかりカラーチェンジしたい

 色にできます。

 一回の塗布では黒にならないので塗布と乾燥を繰り返し行い色の土台を作りました。

 

●黒い顔料(油性)を塗布して色を均一にする染め直し

 

●エナメル施工

 

となります。

 

エナメル施工ですが靴の場合 塗料を塗布後左右のエナメルのツヤ・厚みに差がなく

均一になっているか確認します。

ロングブーツで作業台においても安定しないので難しい塗装作業でしたが

エナメルのツヤ感もあってきれいに仕上がりました。

 

黒い色とこげ茶のコンビネーションもよく黒いエナメルで高級感も出たと思います。

履くことができない状態でしたが気分も新たにまた履いていただけます。

お客様は仕上がりをご覧になってたいへん驚かれ感謝のお言葉をいただくことができました。

難しい修理でしたがご依頼をいただきありがとうございました。

 

エナメル製品ですがあまり使わないから・エナメル素材だからといって

箱詰めしたり袋に入れてクローゼットなどで長いこと保管していると気温や湿度の関係で

劣化する場合があります。

 

靴やブーツなど空気の通る場所で他のものと間を開けて置かれることをおすすめします。

 

修理は傷みが少ない内が仕上がりもよくでき費用を抑えることができます。

傷み始めたら早めのご依頼をおすすめいたします。 

 

バッグ  かばん 財布 靴 革ジャン 革衣類など革製品の

修理 補修 染め直し 縫製やファスナー交換を承っています。

エナメル素材も対応いたします。

 

革のことなら

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東京都世田谷区新町2-17-9

TEL:03-6426-8548

info-setagaya@kawa-kenkyujyo.net

 

ご来店は13-18時で承っております。

事前にご都合を連絡していただけますようお願いいたします。

定休日:火曜日

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代表者 酒井 大亮
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