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革修理ブログ
2025/05/24
【Dior バッグ 修理】 レディディオール 型崩れした古いエナメルバッグを元の形に戻しました。
こんにちは
革研究所 世田谷店です。
ディオール カナージュ エナメル バッグのご紹介です。
お客様は若い女性の方でお母様から譲り受けられたバッグだそうでとても古いものです。
エナメル部分は経年でツヤはあせていますが古いものの割にキズやはがれなど少ない状態です。
一番の難は形が崩れて普通に使うことができないくらい変形していました。
修理は型崩れの修正とツヤ感を戻してほしいご希望でご依頼をいただきました。
Before レディディオールのバッグは硬い芯材が使われているのですがこの状態でした。
Before 裏面も波打っていました。
Before 横からみるとつぶれたようになっています。
Before
レディディールはディオールのバッグの中で人気が高く長く作られておりサイズや色・素材など
バリエーションが多いので修理のご依頼をよくいただきます。
「カナージュ」と呼ばれる独特のステッチ縫製での模様やキルティングのふっくらした感じで高級感があり
人目でディオールと分かるのでお持ちの方を町や電車の中でお見受けします。
今回ご依頼をいただいたバッグですが一般的なものより一回り小さいタイプになります。
「Dior」のロゴのチャームの付き方も現行のものより簡易的になっており現行品は
底鋲が付いていてダメージから守れるようになっていますが付いていません。
最初に発売されたので1994年だそうでおそらく初期に作られたものだと思います。
状態はといいますとよくここまで形が崩れたなと思うくらい変形していました。
これだと収納部分のものの出し入れに難があり通常に使うことができません。
お客様は同時にシャネルのマトラッセも譲り受けられ修理しようと業者を探されたそうで
革研究所のホームページをご覧になって当方にお問合わせをいただきました。
修理のご希望は
①革崩れの修正
②底鋲の取付
③エナメル部分のツヤ感の再生
となります。
修理は最初に①②の縫製修理を行いその後外装の修理となります。
①革崩れの修正
型崩れの原因は中の芯材の劣化ですので修理は芯材を新しいものへの交換となります。
交換に際し
●バッグを分解
●芯材の交換
●元通りに組み直す縫製
となります。
レディディオールの場合
バッグ口にオーバル型の金具が付いてカシメてあるので外すのが容易ではありません。
時間がかかりましたが分解して芯材を取り出したら劣化が大きく縮んだようになっていました。
芯材の型を取り新しいものに交換しました。
芯材交換後
底鋲も合うような汎用品を使い取付けしました。
キルティングのふっくらした感じは長年変形していたため側面のマチの部分に
多少盛り上がりが弱い箇所が出ましたが形を元に戻すことができました。
まずは最初の修理の難関を超えましたので次の「染め直し」「エナメル施工」に移りました。
レディディオールのバッグはよく考えられた機構で持ち手・Diorのロゴチャームを外すことができます。
最初に本体・持ち手をパーツごとに分解してから始めます。
修理の工程ですが
●古いものなのでクリーニングしてしっかり汚れを落とす
●軽く研磨して塗料の密着性を上げる下処理
ステッチ糸が全面に入っていて複雑なので糸を傷めないよう注意して行います。
●非施工面のマスキング処理
●塗料の密着性を上げる溶剤を塗布する下準備
●黒い塗料を塗布して色を均一にする染め直し
●エナメル施工
となります。
バッグなどの立体的なものは各面のツヤ感・塗装の厚みが均一になるよう塗装する順番を
先にシュミレーションしてから行います。
エナメル施工は途中でものに触れることができずやり直しの効かない作業で毎回緊張しますが
エナメル膜も均一に乗ってきれいに仕上がりました。
Before
After
Before
After
Before
After 付いたクセやシワは多少残りましたが目立つ範囲ではありません。
Before
After
Before
After
After 形・ツヤ感も元に戻りました。
After
いかがでしょうか。
古いものでも大きな傷みがなく修理できる状態であれば手を入れることで
また使えるようにすることができます。
今回のバッグの修理は手間と時間がかかりましたが使用感はなくなり
現行品とデザインは変わりませんので古っぽい感じはしなくなりました。
使えなくなったバッグでしたが再生できましたので気分も新たにお使いいただけます。
長らくお待たせしましたがご依頼をいただきありがとうございました。
エナメル素材の革製品の保管ですが
「あまり使わないから・エナメル素材は特別な時に」などで箱などに入れて長いことしまっていると
高温や多湿などでエナメルが劣化してしまい変色・ベタつきや保管中の色移りなどが
起きやすくなります。
バッグなどは空気の通る場所で他のものと間を開けてしまうことをお勧めしています。
ハンガーラックなどに掛けて吊るしておくのもよいです。
修理は傷みが少ないほど補修感を少なくできますので気になってきたら
早めのご依頼をお勧めいたします。
バッグ かばん 財布 靴 革ジャン 革衣類など革製品の
修理 補修 染め直し 縫製やファスナー交換を承っています。
エナメル素材も対応いたします。
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