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革修理ブログ
2022/04/08
【CHANEL バッグ 修理】 シャネル マトラッセ バッグ 古いバッグの型崩れ 色あせ 修理
こんにちは
革研究所 世田谷店です。
シャネル マトラッセ チェーン バッグのご紹介です。
とても古いもので芯材が劣化して型崩れしており自立しません。
全体も色があせくたびれた感じになって使用感があるので
修理してきれいにほしいとのご依頼です。
Before
After
Before
After
After 芯材入れ修理後
Before バッグ上の角はパイピングに大きく穴が開いて芯材が見えていました
After パイピングを新しい革に交換しました。
芯材も取り替えました。
Before
After
シャネルのマトラッセのバッグを修理してほしいとのご依頼をよくいただきます。
マトラッセはシャネルの不動の定番のスタンダードモデルで長く作られているので
バリエーションやサイズもさまざまですが修理のご依頼で一番多いのは
やはり黒のチェーンバッグのタイプになります。
ここ最近は若い女性の方からのご依頼が目立ちお母様やご親族から譲り受けられた
古いものがそのままでは使えないので直してほしいとの内容が多いです。
また専門店で購入された古いバッグをそのままお持ちいただくこともあります。
革部に難があるものの修理が主ですが金具やチェーン部などの
金属パーツの再メッキ加工などもよくある修理内容となります。
マトラッセの古いものはいい革を使ってていねいに作られているので
傷みが少々あっても修理して手を入れれば使用感を薄れさせたり
革の潤いを戻して革の劣化の進行を抑えることができます。
新しい今のものもいいですが古いものを直してまた使えるようにすることは
とてもいいことだと思います。
お問合わせいただくアイテムの傷み具合もさまざまですが古いものの場合
経年やご使用によりあちこち修理の手を入れなければいけないケースもよくあります。
今回ご依頼をいただいたバッグも相当古いもので
①芯材の劣化により元々平らだった箇所が変形してしまいバッグが自立しない
②パイピングの角がすれて穴が開いた箇所が多い
またパイピングのプラスチックの芯材も劣化して中で折れている
③色あせ 使用によるテカリ
と劣化や傷みは各所にありました。
いずれの傷みや劣化も直さないと使えない状態で修理のご希望は
①② 縫製修理
③ 革部の補修・染め直し
となり工程の違う修理で期間と費用のかかる内容となりました。
①の修理ですが
バッグを解体して劣化した芯材を交換し再縫製する方法になります。
適度な硬さの芯材を使用して表面に硬い感じが出ないようにしています。
革に付いたシワやクセは無くせないので残りますが形がシャンとすると
使い勝手もよくなり古ぼけた感じは改善できます。
②芯材のプラスチックも中で劣化して折れていて交換が必要となりますので
新しい芯材と革で外周二箇所を取り換え・交換となります。
穴開きの箇所が少ない・芯材も折れていない場合は穴開きの箇所だけ
部分的に補修することもできます。
①②はバッグを解体しパイピング交換・芯材入れの作業後バッグを再縫製して
組み立て直しますのでたいへん手間と時間のかかる修理となります。
本体は柔らかいラムレザー製ですがパイピングの交換に使用する革は
丈夫な牛革となります。
角などすれたり当たりやすい箇所に適しています。
③の修理は革も古いので劣化もあり汚れや手あかなどの脂分も染み込んでおり
クリーニングして革の下地を補修し黒の塗料で染め直しとなります。
修理の工程として
・クリーニング・脱脂処理
革が相当年月経過したもので汚れていましたが古いものなので
革を傷めないようていねいに行います。
・革の補修溶剤を浸透させすれやはげた箇所を改善し革に潤いを出す下処理
・黒い塗料を塗布して色を均一にする染め直し
・色止めとツヤの調整のクリアー塗装
塗料の薄い膜が上に一層できるので汚れがつきにくくなる防汚効果もあります。
となります。
古いものなので革を傷めないよう工程をひとつひとつ慎重に進めます。
今回はご希望されなかったのですがチェーン部の革の染め直しの
修理も承っています。
チェーンに編み込まれた革をいったん外して本体の修理と同様の
革の下地補修・染め直しを行います。
目に付く修理できる箇所は手を入れましたので気になっていた点
・芯材交換でバッグも自立可能な状態まで改善
・四角い形に沿って新しい革のパイピング
・染め直しで黒い色もはっきりしテカリも落ち着いて自然なツヤ感の状態
と大きく改善することができました。
使用感は薄れましたのでこれからは気分も新たに長く使っていただけます。
仕上がりにもたいへんご満足いただきお品物をお引き取り後
そのまま肩にかけてお帰りになりました。
ご依頼をいただきありがとうございました。
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