革修理｜東京都 世田谷区の革修理なら革研究所 世田谷店

こんにちは

革研究所 世田谷店です。

 

シャネル エナメル バニティ バッグのご紹介です。

相当古いもので白のかわいらしいデザインのバニティバッグになります。

濃い色が移ってしまい目立って使うことができないので修理してほしいとのご依頼です。

 

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Before 裏面に黒い色移りがあり範囲も広いです。

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Before　ななめから見るとよく分かります

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Before　表面下にも色移りがありました。

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Before　こちらは赤い色移り

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Before

After

 

20年以上前のシャネルの古いバニティバッグで希少価値がありプレミアムが付いている

数も少ない珍しいバッグだそうです。

箱型のマトラッセのエナメルバッグのタイプの修理のご依頼をよくいただきますが

初めて拝見する丸い箱型のバッグでかわいらしいデザインでした。

 

状態はといいますと表面・裏面に黒や赤の色移りがあり

特に裏面は色が濃く範囲も広く目立つものでした。

ここまで大きいと保管時に他の革製品などが覆うようにくっついていて

起きてしまったものだと思います。

きれいな白いエナメルですので色移りが目立つと使いづらくなってしまいます。

 

エナメルの色移りですが内部に浸透してしまっているので

クリーニングや染み抜きでは無くしたり改善することはできません。

 

またエナメル素材の特性上部分的に色補修したりエナメル塗装はできないので

修理の方法は上から白で塗装して覆い隠しその後エナメル塗装を行う修理となります。

 

お客様はネットでエナメルの色移りが修理できる業者を探されたそうで

当方のシャネルの修理ブログをご覧になってお問合わせをいただきました。

 

修理ですが

①クリーニングして汚れをしっかり落とす

　古いものなのでエナメル部分に加えステッチ糸なども行いました

②軽く研磨して表面をならし塗料の密着性を上げる処理

　ステッチが多いので糸を傷めないよう慎重に行います。

③非施工面のマスキング処理

　今回黒のシャネルマークの部分はエナメル施工のみ行いましたので

　マスキングして塗料がかからないようにしました。

④白い塗料を塗布して色移りを目立たなくなるまで繰り返し染め直し

　黒の色移りを白い色で覆うので数回の塗布ではなくせません。

　塗料の濃度の調整をし　色移りが分からなくなるまで

　塗布・乾燥を繰り返し行います。

⑤エナメル施工

　白い部分＋シャネルマークの黒い部分

となります。

 

裏側の黒い大きな色移りですが色も濃く移っていて塗料が白い色だと透けてしまい

目立たなくできるまで時間がかかりましたが分からないレベルまでにすることができました。

古いものなのでエナメルのツヤ感も鈍っていましたが新しいエナメル塗料で

クリアーな感じが出ました。

白い色もはっきりしてシャネルマークの黒とのコントラストもよくなっています。

 

使用感も薄れましたので気分良く使っていただくことができるようになりました。

ご依頼をいただきありがとうございました。

 

エナメル素材の保管中に起きたトラブルは多いです。

あまり使わないので箱にしまって密封した状態や空気の通らない袋に入れて

ワードローブや押入れで長い間保管している状態が続くと

ベタつきが発生していたりエナメルが劣化して変色したり

今回のような色移りが起きてしまったりします。

 

エナメルは高温に弱いので熱がこもらないよう空気の通る場所で

他のものとくっつかないように保管されることをお届け時にご説明しています。

バッグなどハンガーラックにかけて吊るしておくのも良い方法です。

 

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