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革修理ブログ
2022/07/14
【Dior バッグ 修理】 ディオール レディディオール バッグ エナメルのベタつきを修理して改善しました
こんにちは
革研究所 世田谷店です。
ディオール レディディオール バッグのご紹介です。
エナメル素材ということもあり普段あまり使うことがなく
ワードローブに収納していたそうですが久しぶりに出してみたら
全体のエナメルがベタついてホコリがつき使うことができない状態に
なっていたそうです。
このままでは使うことができないので修理してほしいとのご依頼です。
Before きれいな色のバッグで一見問題はなさそうに見えました。
After
Before
After
Before ベタつく箇所にはホコリが付着していました。
After
Before 底面にもホコリの付着
After
Before バッグ口のホコリの付着
After
Before 白い塗料の付着
After
Before
After
Before
After ショルダーストラップもエナメル施工をしました。
ディオールのバッグで人気の高い「カナージュ」と呼ばれる正方形と菱形のような
ステッチデザインがきれいなバッグです。
そのステッチでキルティングにもなっているので立体感もあり一目でディオールのバッグだと
分かるので街や電車でお持ちの方を見かけます。
長く作られていて大きさや色のバリエーションも多くご依頼をよくいただきますが
色も毎回違うものになります。
ご依頼のバッグですがきれいなワインカラーのような深みのある色で
使用感も少なく一見して問題はなさそうに見えました。
お客様はエナメル素材ということもあり普段あまり使わないので箱にしまって
長いこと出さなかったそうですが久しぶりに使おうとしてワードローブから出してみいたら
全体にベタベタしてホコリがついており使えない状態になっていたそうです。
エナメル素材のトラブルで多いのが保管時におきるベタつきとなります。
エナメルは高温・多湿などに弱いため空気が流れない温度が高い場所に保管すると
エナメルが劣化して溶けたようになってしまうことがよくあります。
ご依頼いただいた時期が8月の盛夏でしたので気温が年間で一番高いので
劣化して場合ベタつく感じはピークになります。
このようなエナメルのベタつきですがクリーニングで治まる場合もありますので試してみました。
クリーニングはクリーナー液を使って手作業で行います。
結果多少ベタつきは落ち着きましたが根本的な改善はできませんでした。
上記からベタつきをなくす修理方法として
【色はげなどの傷みがあり色補修が必要な場合】
・染め直し
・エナメル施工
となりますがご依頼のバッグは使用頻度も少なく色の補修が必要ない状態でしたので
染め直しをしないでエナメルを上から塗布してベタつきを覆い隠す修理を行いました。
上記ですときれいなボルドー系のカラーを維持できオリジナル感は一番残せる方法となりますので
仕上がりよくできます。
エナメル施工の工程として
①クリーニングしてついたホコリや汚れを落とす
②エナメル面を軽く研磨して塗料の密着性を上げる下処理
カナージュのバッグはステッチが多く細かいのでステッチ糸を傷めないよう
注意を払って行います。
③エナメル施工
となりますが②の研磨をおこなった後も空気中の微小なホコリがついてしまい
なかなかエナメル施工ができませんでしたのマスキングテープで
付いたホコリを少しづつ取った後すぐに塗装を行いました。
バッグは箱型で立体的なので各面のエナメルの厚み・ツヤ感を均一にしなければならず
塗布する量や回数を調整しながら進めます。
カナージュのバッグは持ち手が取り外しできるようになっており
施工がしやすいメリットがありますので持ち手は別にして施工しています。
ショルダーストラップも同様です。
施工でエナメルの厚み・ツヤ感もムラなく全体が均一になり状態は良かったので
きれいに仕上げることが出来ました。
染め直しをしていないのできれいなワインカラーはそのまま残り
ベタつく心配はなくなりましたので気分よくお使いいただけます。
施工後お客様に今回のベタつきはなぜ発生したか原因をお伝えし
今後の保管に関し箱や袋にしまって密封せず空気の通る箇所で
他のものに付かないようにして下さいとお伝えしてお渡ししました。
当方のディオールのエナメル施工の修理事例のブログをご覧になってお問合わせをいただき
ご遠方からの宅配便でのご依頼でしたが出来上がりを
たいへん喜んでいただくことができました。
ご依頼をいただきありがとうございました。
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