革修理｜東京都 世田谷区の革修理なら革研究所 世田谷店

こんにちは

革研究所 世田谷店です。

 

サルトル ロング ブーツのご紹介です。

使用感は少ないブーツですがつま先や全体にすれやキズがあり目立ってきたので

修理して目立たなくしてほしいとのご依頼です。

Before　

After

Before　

After

Before　ムラ感がある仕上げです

After　色の濃淡を残します

Before

After　凹みは残りますが使用感は薄まり自然な感じにできました

Before

After

Before　線キズが目立ちます

After

 

サルトルはフランスの靴メーカーできれいなデザインのジョッキーブーツをハンドメイドで

作ることで有名だそうです。

とてもいい革で革の質感を活かせるよう仕上げが薄くしなやかな革を

使って作られていました。

見ただけでいい革を使ってていねいに作られたことが分かる

すてきなデザインのブーツです。

 

状態はといいますと全体の使用感はさほどありませんが当たる箇所は

すれが目立つようになってきていました。

きれいなブーツで足元ですので目立つのでいい状態で長く使いたいですよね。

 

お客様は修理できる業者を探されたそうで当方のブーツの修理ブログを

ご覧になってお問い合わせをいただきました。

ご希望としてすれ・キズを目立たなくしてほしいが

・革の質感を変えずできるだけ維持してほしい

・ツヤが出ないようにしてほしい

の二点でした。

 

修理では革の風合いや質感をできるだけ維持するようにしますが

補修溶剤を浸透させてすれや色はげなどの状態を改善しなければならず

ツヤを抑えてご希望に沿うようにする修理は難しく

使用する補修剤や量などを考えながら慎重に進める必要があります。

水分や塗料を使い浸透させたり上から塗布するので使用する量を

減らして経過を見ながら塗布する回数を調整して修理を進すめました。

 

修理の工程として

・クリーニングして汚れを落とす　

　革の仕上げが薄いので水分を使うとムラになったりする場合が

　ありますので目立たない部分で経過を見ながら行います。

・補修溶剤を浸透させてすれを補修し革に潤いを出す

　水分の染み込みで色が濃くなるので溶剤を薄めて感じができるだけ

　変わらないよう確認しながら進めます。

・革の表面をなめらかにする補修

　表皮を形成する補修溶剤を使います。補修剤の効果で革に潤いが出ますので

　しっとりした感じになりました。

・色止め・ツヤの調整のクリアー塗装（トップコート仕上げ）

　塗料の薄い膜が一層できるので汚れが付きにくくなります。

となります。

 

色がはげたり・キズや傷みが大きいものや顔料系（油性）の厚い膜の

あるものは塗料を塗布する染め直しとなることが多いです。

その場合色も均一でムラなくでき塗装膜もあるので水や汚れに

ある程度強くなるメリットがあります。

 

ご依頼の分は革の質感を変えないようにしてほしいご希望でしたので

色の塗料を使わない・染め直しをしない方法で仕上げなければなりません。

 

そのため色合いは維持できますが薄い仕上げの場合水分が染み込むと

色が若干濃くなります。

たとえて言うと乾いた砂場に水を巻くと色が濃くなるのと同じことです。

その点を先に説明してご了承をいただき進めました。

 

色の風合いや濃淡がなくならないよう経過を見ながら慎重に行いましたので

つま先まわりのすれやふくらはぎ周りの線キズもおおむね目立たなくできました。

 

最後の仕上げのクリアー塗装もマットな質感になるよう調整しています。

クリアー塗装をすると薄い塗装膜ができますので汚れがつきにくくなる

防汚効果もあります。

 

大きな傷みもなく革質もよかったので補修剤の効果も顕著で使用感は薄れました。

気になる箇所は改善できましたので気分良く履いていただけます。

 

お客様にもご納得いただき仕上がりを喜んでいただくことができました。

難しい施工でしたがご依頼をいただきありがとうございました。

 

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