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革修理ブログ
2023/10/02
【CHANEL バッグ 財布修理】シャネル エナメル チェーンウォレット 黒い色移りの修理
こんにちは
革研究所 世田谷店です。
シャネル チェーン ウォレットのご紹介です。
発色のいいきれいなグリーンのエナメルですがフラップに大きな黒い色移り
背面にはレシートのインクの色が移ってしまい目立つので
修理してほしいとのご依頼をいただきました。
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Before きれいな色なので色移りは目立ちます
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Before レシートのインク跡 2022と読めます
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シャネルのチェーンウォレットのウォレットは財布という意味ですがサイズ的には
小型のバッグくらいのサイズがあり中に普通の財布の機能の札入れや
カードフォルダーなどがあり携帯電話や小さいものでしたら収納できるスペースも
ある便利なお財布とバッグの中間くらいの感じでしょうか。
作りもしっかりしており長く使えるようていねいに仕上げてあります。
チェーンもななめがけできるように長さが120cm以上ありよくご依頼をいただく
マトラッセのバッグよりずいぶん長くななめがけできると両方の手が開くので
使い勝手がよさそうです。
ご依頼のバッグですが発色のいいグリーンのエナメル素材ですが表面のシャネルの
ロゴまわりに黒い大きな色移りと背面には二箇所レシートの青いインクが
移ってしまっていました。
きれいな色だと余計に濃い色移りは目立ってしまいます。
見つけられた時は相当ショックだったと思います。
お客様は修理できる業者を探されて当方の同じような色の
シャネルのエナメルのマトラッセの修理事例をご覧になって
ご遠方よりお問合わせをいただきました。
お客様がご覧になった事例
こちらもきれいなグリーンカラーですがフラップに色移りがありました。
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Before
After
エナメル素材のトラブルですが代表的なものは
・変色
エナメル素材そのものの劣化で色の成分が抜けてしまい色が濃くなる
元と違った色合いになってしまったなどよくあります。
・ベタつき
海外で作られたバッグや財布などのエナメル素材は日本の気候と合わずに
劣化してしまう場合があります。
エナメルは高温・多湿に弱い素材なので夏場などになると保管していて出してみたら
ベタつきが出てしまっていて修理してほしいご依頼を多くいただきます。
ベタつきですがクリーニングで多少改善できる場合もありますが一度ベタつきがでると
元には戻ることはありません。
・色移り
使用や保管中に他の革製品などの色が移って内部まで浸透してしまう
となります。
エナメル膜は色を吸収しやすい特性があります。浸透してしまったものは拭いても
落とすことはできません。
エナメル素材の色移りでお客様から
・クリーニングしてきれいにしてほしい
・染み抜きをしてほしい
といった内容でよくお問合わせをいただきますがクリーニングでは改善することができません。
また素材の特性上 部分的にピンポイントで直す・目立たなくすることはできず
色移りを直す方法は
・小さくても
・移った色が濃くなくても
全体を染め直ししてエナメル施工となります。
言葉でいいますと上から塗装をして覆い隠し目立たなくするかたちになります。
パンプス等の靴も同じでつま先のはげやヒールのキズやめくれもピンポイントで
部分補修をした後全体を染め直し・エナメル塗装となります。
全体を染め直ししますので時間と工数で費用的にはある程度かかる修理となります。
エナメル施工ですが注意点として
・このような濃い色移りの場合 上から薄い色で塗装をしても覆い隠すことができず
目立たなくはなってもうっすら跡が残る場合がある
・色合わせをしますが完全な同一色はできないので多少の差異が出る
・ステッチの糸の上にもエナメル塗料が乗るので糸が硬くなる
・ルイ ヴィトンのヴェルニシリーズなどがそうですが型押しなどがある場合
凸凹の陰影が甘くなる
となります。
エナメル施工は注意点が多く先にお客様にご説明してご了承をいただき進めていきます。
修理の工程として
・クリーニングして汚れをしっかり落とす
・軽く研磨した塗料の密着性を上げる下準備
マトラッセはステッチが多くあり糸を傷めないよう慎重に行います。
・非施工面のマスキング処理
ご依頼のバッグのフラップ裏やマチの分はラムレザーの革ですので
塗料がかからないようマスキングしますが面積があるので時間がかかります。
・色合わせをして塗料を調合し全体に塗布する染め直し
色移りは一回の塗装ではなくすことができません。
少しずつ色を乗せていきますが塗料が乾くと色移りが透けてくるので時間をかけて
塗布と乾燥を繰り返し分からなくなるまで行います。
・エナメル施工
となります。
エナメル施工ですが作業中塗布しているエナメル部分に触れることができません。
機械で革を製造するのと同じようにエナメル塗料を塗布するのではなく製品になった
立体的な物に塗装をします。
そのためエナメルの厚みやツヤ感を均一にしなければなりません。
やり直しが効かないのでたいへん緊張する作業になります。
修理で仕上がりに大きく関わり一番大事な要素となる色を調合する色合わせですが
・微妙な色合いのもの
・発色のいいもの
・白やベージュ系の色の薄いもの
は調合が難しく毎回試行を繰り返し合わせていきますので時間のかかる作業です。
色の成分表などはなく目と経験による手作業となり太陽光の下で品物を見ながら
合うように色を作っていきます。
今回も同様で苦心しましたがおおむね色も合わせることができました。
ご依頼のバッグや使用でやや黄ばんでいたのでその分を差し引き色を調合しましたので
色合いがやや明るくなっています。
濃かった色移りも目立たなくできエナメルのツヤ感の均一になりましたので
気にならずお使いいただけるようになりました。
明るい色になったので使用感も薄れました。
お客様にも仕上がりをたいへん喜んでいただくことができました。
ご遠方よりご依頼をいただきありがとうございました。
エナメル素材の保管についてですが
トラブルで多いのは普段あまり使わないからなどで箱に入れたり空気の通らない袋に
入れてしまうと高温になるので素材が劣化してしまうことがよくあります。
特に近年 夏場は猛暑日も多くエナメル素材にはダメージが出やすい傾向があります。
ですので空気の通る場所で他のものと間隔を開けて保管することをおすすめします。
バッグなどラックなどに掛けて吊るしておくのもよいです。
革は定期的に保湿クリームなどでケアすると劣化の進行を抑えることができます。
今はホームセンターなどでいろいろな革のケア用品が販売されていますので
革質や状態にあったものが見つけられます。
大事にされたい・長く使いたい革製品は定期的なお手入れをおすすめします。
バッグ かばん 財布 靴 革ジャン 革衣類など革製品の
修理 補修 染め直し 縫製やファスナー交換を承っています。
エナメル素材も対応いたします。
革のことならお気軽に
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