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2023/10/13

【Louis Vuitton 財布修理】ルイ ヴィトン ヴェルニ エナメル財布のカラーチェンジ

こんにちは

革研究所 世田谷店です。

 

ルイ ヴィトン ヴェルニ 財布のご紹介です。

赤いガマ口付きの二つ折り財布です。

エナメル部分の端が使用と経年ではがれてきていました。

色移りした箇所もあり使用感も出てきたのでこげ茶にカラーチェンジしてほしいとの

ご依頼をいただきました。

 

Before  

   

After

Before

After

Before

After   

Before 端がすれてエナメルがはげた箇所がありました

After 段差は残りますが目立たなくなりました

Before

After

Before

After

Before  

After 

 

ルイ ヴィトンのヴェルニシリーズのエナメルのバッグや財布の修理をよくいただきます。

ヴェルニはフランス語でエナメルを意味する言葉だそうです。

ルイ ヴィトンのLVのイニシャルや図柄が型押しされていて

エナメル素材ということもあり高級感がある印象を受けます。

カラーバリエーションもたくさんあるようでこれまでいろいろな色の製品の

修理のお仕事をいただきました。

 

ご依頼のものはコンパクトなガマ口付きの二つ折りの財布です。

エナメルは丈夫な素材ですがご使用でステッチ外の端がすれてエナメルが欠損した箇所も

ありました。

赤がきれいな財布ですが傷んだりツヤのあせたエナメル製品の表面が

はげて下地が出るとどうしても使用感は強くなってしまうので気になりますよね。

色移りした箇所もありいっそうです。

 

ご依頼の方は長く使いたいので色移りや色はげの目立たないこげ茶にカラーチェンジして

ほしいとのご希望です。

お客様はエナメル素材を修理できる業者を探されて

当方のルイ ヴィトンのヴェルニの財布の修理ブログをご覧になって

お問合わせをいただきました。

 

カラーチェンジですが基本的に

薄い色から濃い色への変更が可能です。

替えたい色が同程度以上の強さ・濃さであれば変更は可能ですが

黒やこげ茶や濃紺などは染料で下染めができ工程が二回になるので仕上がりよくできます。

 

黒以外色のご希望があれば色のサンプルの革や紙などをいただいて合わせるようにします。

お客様のご依頼は同じルイ ヴィトンのアマラントという赤紫のような深い色合いでした。

 

アマラント色は見る角度で赤く見えたり黒っぽく見えたりする特殊な色となり

カラーチェンジは塗装になるのでその再現はできません。

色合わせをして塗料を調合しますが似寄りのこげ茶となってしまいます。

お客様にそのことを先にご説明をして了承をいただき進めました。

 

写真ではどうしても黒っぽく写ってしまいますがこげ茶となります。

 

また今回は外側のエナメル部のカラーチェンジと内側のプレーンな革のカラーチェンジと

二つの別工程の作業となり通常より手間と工数のかかる修理となりました。

 

作業ですがまずエナメル部分のカラーチェンジを行います。

工程として

・使用の長い財布なので汚れや手あかなどの脂分をしっかり落とす。

・軽く研磨して表面をならし塗料の密着性を上げる下処理

 端が傷んでささくれているのでステッチ糸を傷めないよう慎重に行います。

・内側など非施工面のマスキング処理

 複雑な作りなので時間がかかります。

・色合わせをして塗料を調合し色を均一にする染め直し

 アマラント色はできないことをご了承いただいていますが調合の難しい色なので

 試行を繰り返しできるだけ近い色にしていきます。

・エナメル施工

となります。

 

エナメル塗料は乾燥まで時間がかかり冬季など気温が低い時期は日数が必要となります。

十分な乾燥の後内側の革のカラーチェンジを行います。

 

工程としてはクリーニング・革部の研磨後

・非施工面のエナメル部分をマスキング処理

・茶色の染料で下染めをして色の基礎を作る

 エナメル素材は染み込みが弱く染み込み度合いの差異が出るので

 何回か行ってムラを少なくしていきます。

・革の補修溶剤を浸透させてすれを改善し表皮を形成する

・色合わせした顔料(油性)を塗布して色を均一にする染め直し

・色止めとツヤの調整のクリアー塗装

となります。

 

エナメル施工ですが施工途中に触ることができずやり直しの効かない作業となるので

たいへん気を使う修理となります。

 

エナメル施工の注意点として

・ステッチ糸の上にもエナメルが乗るので固くなる

・ルイ ヴィトンのヴェルニなど型押しの革はエナメル膜に厚みがあるので

 上からの塗装しますので型押しの陰影が甘くなる

などがあり通常の染め直しとは異なる点があります。

 

また施工は塗装になります。

エナメルは特性上 空気中のホコリが付着しやすいので通気をさえぎることのできる

作業環境が必要となります。

 

通常のカラーチェンジとは異なり

・エナメル部

・革部

と二回作業を行いエナメル部の端のささくれは無くすことはできませんが

エナメル膜の厚みでおおむね目立たなくすることができました。

当方のエナメル塗料はツヤがあり厚みも出ます。

カラーチェンジで雰囲気は大きく変わりツヤ感も上がりました。

気分も新たにまた長く使っていただけます。

 

お客様にも仕上がりを喜んでいただくことができました。

難しい修理でしたがご依頼をいただきありがとうございました。

 

エナメル素材の保管ですが

エナメルは高温・多湿に弱い性質があります。

近年夏場は高温になり猛暑日も多くエナメル素材にとっては厳しい条件となります。

劣化によるベタつきの発生なども多く修理のお問合わせをいただくことがよくあります。

ベタつきなどは一回起こるとクリーニングなどである程度改善できる場合もありますが

元に戻ることはありません。

 

財布は毎日使うので問題は少ないですが

使用頻度が少なくあまり使わないバッグなど箱や空気の通らない袋などに

入れてしまわず空気の通る場所で他のものと間を開けて保管されることをおすすめします。

バッグなどハンガーラックなどに吊るしておくのもいいです。

 

バッグ  かばん 財布 靴 革ジャン 革衣類など革製品の

修理 補修 染め直し 縫製やファスナー交換を承っています。

エナメル素材も対応いたします。

 

革のことならお気軽に 

革研究所 世田谷店にお問合わせください。

 

東京都世田谷区新町2-17-9

TEL:03-6426-8548

info-setagaya@kawa-kenkyujyo.net

 

ご来店は13-18時で承っております。

事前にご都合を連絡していただけますようお願いいたします。

定休日:火曜日

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