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2023/10/23

【LOUIS VUITTON バッグ 修理】ルイ ヴィトン ヴェルニ 変色したエナメルバッグを黒にカラーチェンジしました

こんにちは

革研究所 世田谷店です。

 

ルイ ヴィトン ヴェルニ バッグのご紹介です。

一見きれいなヴェルニのベージュ系のエナメルバッグに見えますが

よく見ると淡く変色している箇所があり色移りもあるので

修理してほしいとのご依頼をいただきました。

 

Before   

After

Before エナメル上部に黄色くまだらに変色した箇所がありました。

Before  色移りの箇所もありました

Before  角がすれてささくれのようになっています

 

After

Before 

 

After  

Before 

After 

Before 

After  

 

Before

After  ファスナー起点の先のエナメル部もカラーチェンジしました

 

ルイ ヴィトンのヴェルニシリーズのバッグや財布の修理のご依頼をよくいただきます。

色のバリーションが多いようでこれまでたくさんの色の修理がありました。

 

今回は「ブレア」という名称のドクターバッグのようなデザインで

間口が広く大きいバッグでものもたくさん入り便利そうなものでした。

ショルダーバッグとしても使えるようにストラップもついています。

 

ヴェルニとはフランス語で「エナメル」を意味する言葉だそうです。

ヌメ革との組み合わせのバランスがよく高級感があるバッグの印象があります。

 

バッグは一見状態は良さそうに見えたのですがよくみるとベージュが変色して

黄色が強くなってしまった部分があり色移りした箇所もありました。

大きいバッグなので物を入れると重たくなるので角ばった四隅の角がすれて

ささくれたところもあります。

 

ツヤのあるきれいなエナメルのバッグですので変色した箇所や色移りがあると

色の差異がそう大きくなくても使用には差支えが出てしまいます。

エナメル素材の革製品は特にですがきれいな状態で使いたいですよね。

 

お客様は修理できる業者を探されたそうで当方のルイ ヴィトンのヴェルニの修理事例を

ご覧になってお問合わせをいただきご遠方からお持ち下さいました。

 

エナメル素材のトラブルで変色以外に多いのは

・エナメル膜の劣化によるベタつきの発生

・色移り

・黒などの場合 劣化により白くなる箇所が出てしまう

などがありますが今回のような変色の原因は革そのものの素材の

劣化によるものとなります。

あまり使っていない・今は箇所がそう大きくない場合でも

いったん劣化してしまうと経年していくにつれ劣化は進行していきます。

 

修理ですがエナメル素材は特性上 部分的に補修ができないので

全体を染め直ししエナメル施工となります。

色移りも同様で変色がなくても・どんなに小さくても

クリーニングや染み抜きはできないので染め直し・エナメル施工をしなければ

改善はできません。

 

お客様にお越しいただいた際 同じ色に戻すか他の色にカラーチェンジするか

悩まれていてどちらがいいかご相談をお受けしました。

 

同色に戻す場合

・修理は可能だが薄いベージュ系なので汚れると黒ずみなどが目立ちやすい

・色移りはまた起きる可能性はある

 

カラーチェンジの場合

・同じ色の強さ以上だと可能だが黒やこげ茶・濃紺など濃い色だと汚れや色移りしても

 目立ちにくいのでベター

をご説明して結果 黒にカラーチェンジするご依頼となりました。

 

カラーチェンジの工程ですが

①クリーニングして汚れや手垢などの脂分をしっかり落とす

②軽く研磨して塗料の密着性を上げる下処理

③ヌメ革や内側部分の非施工面をマスキング

 ヴェルニはヌメ革がエナメルに直接縫いつけられています。

 そのため塗料がヌメ革ににじまないよう革の裁断面に貼る必要があります。

 裁断面はとても細いので時間のかかる作業となります。

 今回は大型のバッグで幅もありましたのでいつもより時間がかかりました。

④黒い染料で下染めをして色の土台を作る

 黒やこげ茶など濃い色へのカラーチェンジの場合 下染めができ

 下染めの後 本塗装をするので二回の塗装となり仕上がりよくできます。

⑤黒の塗料で色を均一にする染め直し

⑥エナメル施工

となります。

 

ヴィトンのヴェルニのエナメル施工の注意点ですが

・ルイ ヴィトンのLVのロゴの型押しにエナメル膜ができるので型押しの陰影が甘くなる

・ステッチ糸の上にもエナメルが乗るので糸が硬くなる

・今回は黒でしたので問題がありませんが色合わせが必要なものは色合わせをしますが

 多少の差異は出る

となります。

先にお客様にご説明して了承をいただき進めるようにしています。

 

エナメル施工ですが大きいバッグの場合 塗装する面積が広いのでムラが出ないよう

均一に塗布しなければならず確認しながらすすめて行きます。

加えてエナメル施工は施工中エナメル部に触れることができず

やり直しが効かない作業なのでたいへん気を使う作業となります。

 

今回も時間がかかりましたが箱型の各面のエナメルのツヤ感も合い

きれいに仕上げることができました。

 

黒になると雰囲気も大きく変わりますので気分も新たにまた使っていただけます。

お客様にも仕上がりをたいへん喜んでいただくことができました。

ご遠方からお越しいただいてご依頼をいただきありがとうございました。

 

エナメル素材の保管ですがエナメルは高温に弱いため

あまり使わないなどの場合 箱や通気性のない袋などにしまわず空気の通る場所で

他のものと間隔を開けて保管されることをおすすめしています。

 

修理は傷みが少ない内が仕上がりもよくでき費用を抑えることができます。

修理をご検討の方は早めのご依頼をおすすめいたします。

 

バッグ  かばん 財布 靴 革ジャン 革衣類など革製品の

修理 補修 染め直し 縫製やファスナー交換を承っています。

エナメル素材も対応いたします。

 

革のことならお気軽に 

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東京都世田谷区新町2-17-9

TEL:03-6426-8548

info-setagaya@kawa-kenkyujyo.net

 

ご来店は13-18時で承っております。

事前にご都合を連絡していただけますようお願いいたします。

定休日:火曜日

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