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革修理ブログ
2023/10/26
【Ferragamo 靴 修理】フェラガモ パンプス はげたエナメルの修理
こんにちは
革研究所 世田谷店です。
フェラガモ エナメル パンプスのご紹介です。
使用感もほとんどなく一見すると傷みはないように見えますが
かかとやヒール周りのエナメルが浮いてしまい大きくはげてしまっています。
この状態では履くことはできないので修理してほしいとのご依頼をいただきました。
Before
After
Before エナメル膜・色の塗装膜がいっしょにはがれて革の下地が出ていました
After 染め直し・エナメル施工で目立たなくしました
Before
After ヒール付け根のはがれも補修して目立たなくしました
Before こちらは塗装膜が浮いていました
After
Before
After
Before はがれてはいませんがエナメル膜の下で劣化が進行していました
After
Before ぶつけた跡がありました
After 穴を埋めて平滑に研磨して目立たなくしました
Before
After エナメルのツヤも上がりきれいにできました
フェラガモの革製品はバリエーションがありますが中でも靴やパンプスの修理のご依頼を
よくいただきます。
今回のご依頼をいただいたパンプスは「Vara ヴァラ」というシリーズの
フェラガモの定番パンプスだそうで修理で一番多くいただくデザインのものです。
一見使用感もなく傷みはないように見えるのですがかかとや側面に部分的にはげた箇所が
ありはがれの際が浮いたようになっているところもありました。
はげた箇所は革の下地が出ており革の色の塗装膜+エナメル膜がいっしょにはがれて
いますので塗料の密着性の難とエナメル膜の劣化ではげた箇所が出てきたのだと
判断します。
きれいな色のパンプスで使用感も少なくあまり履いていないのに
この状態になるとショックですよね。
お客様は修理のできる業者を探されたそうですがエナメル素材と傷みの状態が
よくある内容ではないので断られることが多く当方のフェラガモのエナメルパンプスの
修理事例をご覧になってお問合わせをいただきました。
海外製品のエナメル膜の劣化は日本の気候の特徴の高温・多湿に合わないなどが
あると言われますがあまり履かないので箱などにしまい長く保管していて
エナメルが劣化してしまうなどがよくあります。
ご依頼のパンプスは使用感も少ないのでおそらく保管中に起きたものだと思います。
このような場合の修理ですがはがれた箇所以外は傷んでいないように見えるので
お客様からよくはがれをピンポイントで修理して目立たなくしてほしいと
お問合わせをいただくことがよくあります。
エナメル素材の革製品がいったん劣化した箇所が出ると今は問題なくても
先々同じように難が出る可能性があるので小さくても片側でも傷んだ箇所を修理して
左右の全体を染め直ししエナメル施工となります。
今回のご依頼のようなはがれ方はよくある劣化の状態ではありません。
修理の方法としてエナメルの劣化の場合 劣化した塗装膜を全部はがして行うのが
最善ですが劣化した箇所があるとはいえエナメル膜は丈夫ですので全部はがすことは
できません。
そのため修理の方法として
・はがせる部分ははがす
・密着してはがれない箇所は研磨して塗料の密着性を上げる
となりますがはがれた箇所とそうでない箇所の際は研磨して段差を抑えるようにしますが
多少は残ってしまいます。
そのことをお客様に事前にお客様に説明してご理解・ご了承をいただき進めます。
修理の工程ですが
・クリーニングして汚れを落とす
・はがれた箇所の周りを研磨して劣化の具合を確認しはがれる箇所をはがす作業
・エナメル部全体を同様に研磨して確認し塗料の密着性を上げる下処理
・非施工面のマスキング処理
フェラガモのこのタイプはプレーンパンプスと違いリボンがあるので通常の作業より
多く時間がかかります。
今回も同様で生地を傷めないよう粘着力の弱いテープを使い行うこともあり
時間がかかりました。
・ヒールの打痕の穴の部分補修
穴は樹脂を固めて埋めます。樹脂は液状なので塗布と乾燥を繰り返し
ある程度穴が埋まったら研磨して形を整えます。
小さい穴でしたので穴は埋まりましたがめくれたり盛り上がっていると跡は残る
場合があります。
・色合わせをして塗料を調合し色を均一にする染め直し
色合わせですが微妙な色合いですの調合がたいへん難しく試行を繰り返し
色を合わせていくので納得のいく色が出せるまでたいへん時間がかかります。
・エナメル施工
靴の場合 片側ずつ行います。そのため左右のエナメルを均一になるよう
塗装膜の厚みとツヤ感を確認しながら進めます。
となります。
難しい色でしたがおおむね色も合い思ったほど段差も残らずエナメル施工ができました。
当方のエナメルは厚みがありツヤ感もあります。
はがれた跡も残らずきれいに仕上がりましたのでまた履いていただけるようになりました。
お客様にも仕上がりをたいへん喜んでいただくことができました。
ご依頼をいただきありがとうございました。
エナメル製品の保管ですがエナメルは高温に弱い素材です。
使用頻度が少なくあまり使わないなどで箱や袋に入れた状態で長く保管していると
エナメルが劣化してベタつきや今回のようなトラブルが発生する原因となります。
ですので箱や袋にしまわず空気の通る場所で他のものと間隔を置いて保管されることを
おすすめします。
バッグなどハンガーラックに掛けて吊るしておくのもいいです。
同じデザインのフェラガモのエナメルパンプスの色移りの修理事例
こちらも原因は保管中にとなりにあった黒い靴からの色移りです。
修理は左右の染め直し・エナメル施工となります。
Before
Before ここまでの色移りだと目立つので履けなくなってしまいます
After 目立たなくなりました
Before
After
Before かかとにも小さいですが色移りの箇所がありました
After
いかがでしょうか。
色移りはクリーニングや染み抜きでは改善できません。
どんなに小さくても片側でも左右の染め直し・エナメル施工となります。
濃い色移りでしたが目立たなくできました。
修理は傷みが少ない内が仕上がりもよくでき費用を抑えることができます。
修理をご検討の方は早めのご依頼をおすすめいたします。
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修理 補修 染め直し 縫製やファスナー交換を承っています。
エナメル素材も対応いたします。
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