革修理ブログ

革修理ブログ

全てのブログ

2023/12/13

色あせした古いオーストリッチ バッグの染め直し【バッグ修理】

こんにちは

革研究所 世田谷店です。

 

オーストリッチ バッグのご紹介です。

古いバッグで経年と日焼けで色が抜けてしまいまだらになっているので

修理して元のように戻してほしいとのご依頼をいただきました。

 

Before バッグ本体の色が抜けてしまっていました

After 

Before 

After

Before バッグ内側に元の色が残っていました

After 内側は色が抜けた箇所を補色して元の感じに戻しました。

    色合わせをした外側の色とも合っています

Before 底面は色が残っていますが薄くなっていました

After 

Before 持ち手は黒ずんで色が濃くなっていました

After

Before

After

Before 持ち手の根元はすれて穴が開いた箇所がありました

After 段差は出ますが穴に革を埋めて目立たなくしました

 

とても古いオーストリッチのバッグです。

オーストリッチの革の風合いや独特のクイル(突起)マークの感じを出すために

染料を主体とした仕上げになっていました。

 

染料は革の質感を維持できるのですが耐光性が弱いこともあり

経年していくとどうしても色が薄くなったり変色してしまいます。

そのため表の部分の色が抜けてしまった状態でした。

 

バッグの底面は色が残っていましたが変色しており

持ち手は長いご使用で汚れもあり黒ずみが目立ち

かろうじて日に当たりにくい内側に色が残っていました。

 

お客様は大事なお品ということで修理して元のようにできればと

修理のできる業者を探され当方のオーストリッチの修理ブログを

ご覧になって遠くからお越しいただきました。

 

このようなバッグの修理ですが色抜けが大きく

・バッグ底面の色

・バッグ本体の褪色部分

・黒ずんだ持ち手

と色が三色になっており落差も大きいので色の基準をどこにするかで

仕上がり感がかなり違ってしまいます。

そのため事前に基準の色を決めてお客様に見ていただき

行き違いのないように進めていきます。

 

当方に近い色の革のサンプルがありましたので比較して

確認していただきました。

 

 

本体に乗せると大きく違いが出ます

 

修理は色合わせをした塗料で染め直しして色を均一にします。

オーストリッチはクイル(突起)の色が濃いのでそれより

元の色が薄いとクイルの濃い色を覆い隠せずその感じが

残ってしまいます。

元がその状態ですので大きく目立つことはありませんが

塗料の染み込みの差異が出る可能性がありムラ感が残ることが

考えられ事前にご説明して修理を進めました。

 

修理の工程として

・クリーニングしてしっかり汚れや染み込んだ脂分を落とす

 持ち手はすれて表皮が毛羽立って弱った箇所もありました。

 革が劣化しているので傷めないよう慎重に行います。

・染料で色が抜けた部分を下染めし色の落差を少なくする下準備

 薄くなった箇所の色をできるだけ戻していきます。

 バッグ内側は複雑な仕様で生地に塗料がかからないようにマスキング処理を

 するのが困難でしたので筆を使って手作業で色抜けの箇所を補色しました。

・持ち手が傷んで穴が開いた箇所の補修

 そのままでは染め直しができないので開いた穴に薄い革を埋めて接着しました。

 段差は出ますが開いた穴が広がらないようにできます。

・色合わせをして塗料を調合し色を均一にする染め直し

 持ち手が塗料の色より濃くなっていますのでやや濃いめに調整しました。

・色止めとツヤの調整のクリアー塗装

となります。

 

今回のように色が大きく違ってしまった場合の染め直しは色をムラなく

均一にしなければならないので下染めが重要になっています。

また濃いクイル(突起)の色もあるので全体の感じを見ながら差異が出ないように

しますがあまり塗料を塗布すると革の感じが違ってきますので慎重に行います。

 

通常の染め直しより手間と時間はかかりましたがおおむね色も合い

色ムラも出ず色を均一にすることができました。

古ぼけた感じは改善できたと思います。

ご遠方よりお持ち下さいましたが仕上がりにご満足をいただくことができました。

難しい修理内容でしたがご依頼をいただきありがとうございました。

 

バッグ  かばん 財布 靴 革ジャン 革衣類など革製品の

修理 補修 染め直し 縫製やファスナー交換を承っています。

エナメル素材も対応いたします。

 

革のことならお気軽に 

革研究所 世田谷店にお問合わせください。

 

東京都世田谷区新町2-17-9

TEL:03-6426-8548

info-setagaya@kawa-kenkyujyo.net

 

ご来店は13-18時で承っております。

事前にご都合を連絡していただけますようお願いいたします。

定休日:火曜日

革修理対応製品

革修理対応製品

革鞄・バック

革鞄・バック

革の鞄(カバン)のスレやキズの補修、変色、革の色を変える(カラーチェンジ)までお任せください。VUITTON(ヴィトン)GUCCI(グッチ)等の革ブランド品も修理可能です。

財布・小物

財布・小物

革財布(サイフ)、小銭入れ、キーケース等の小物全般の革のキズ、スレをキレイに修理いたします。CHANEL(シャネル)GUCCI(グッチ)等のブランド革小物の修理ももちろんOKです。

革靴・ブーツ

革靴・ブーツ

男性物の革靴、女性物のブーツ等靴の革修理(スレ・キズの補修)も可能です。思い出の有る革靴等の修理はお任せください。もちろん革靴の修理に関してもブランド靴の修理可能です。

革衣類

革衣類

革ジャン、革コート・革のジャケット等革衣類の修理、補修もお任せください。部分的なスレ・キズの補修から、革全体の色を変える(カラーチェンジ)まで幅広く対応いたします。

ソファー・椅子

ソファー・椅子

革ソファー・革の椅子の修理実績も多数ございます。痛み具合によっては革の張替えも可能です。カッシーナ(CASSNA)等のブランドソファー修理もお気軽にご相談ください。

自動車内装

自動車内装

自動車の革ハンドル・革シートの修理(リペア)も可能です。ベンツ・BMWなどの高級外車から、国産の自動車まで数多くの修理実績がございますのでお気軽にお問合せください。

店舗情報

革研究所 世田谷店

代表者 酒井 大亮
所在地 〒154-0014 東京都世田谷区新町2-17-9
※ご来店の際は事前にご連絡下さい。
TEL 03-6426-8548

対応エリア
東京都世田谷区近隣エリア

当店の革修理は革の事を知り尽くした熟練職人が一点一点丁寧に修理・補修いたします。思い出の有る大切な革製品を安心してお任せください。また、ブランド品(VUITTON・CHANEL・GUCCI等)の革修理経験も豊富です。革のキズやスレの補修はお任せください。革修理の御見積やお問合せはもちろん無料です。

PAGE TOP