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2024/04/27

【CHANEL バッグ修理】 シャネル チェーンバッグ 使用感のあるバッグのフルレストア

こんにちは

革研究所 世田谷店です。

 

シャネル チェーンバッグのご紹介です。

古いマトラッセのタイプのバッグで素材はとても柔らかいラムレザーです。

ご依頼は若い女性の方でお母様から譲り受けられたそうですが使用するのに

気になる部分を修理してきれいにしてほしいとのご依頼をいただきました。

 

Before  

After

Before

 

After   

Before 革の表面の状態は良好でした。

After テカリが落ち着き自然なツヤ感になりました。

Before

After   

Before 古いバッグですが角のすれは軽微でした。

After

Before

After

 

古いシャネルのマトラッセのタイプの修理のご依頼はここ数年増えており

譲り受けられたものをお持ちいただくことがよくあります。

デザインが不変でいい革を使ってていねいに作られているので修理すれば

不具合があっても改善できまた使えるようになります。

古いものを直して使えるようにすることはとてもいいことだと思います。

 

今回のバッグもお母様から譲り受けられたのを機に修理して古ぼけた感じが気になるので

改善したいと当方のシャネルのマトラッセの修理ブログをご覧になったそうで

ご相談をいただきお持ち下さいました。

 

素材はキメの細かいラムレザー製でよくご依頼をいただく箱型のマトラッセのチェーンバッグとは

違った質感でさらに柔らかい感じでした。

デザインも初めてお見かけするタイプで上にファスナーが付いているので

物の出し入れもしやすく使い勝手も良さそうです。

状態ですが古いものですが目立つ傷みもなくよくある角のすれや色はげも軽微で

あまり使われていなかったのではと思います。

 

金属のパーツに関してはチェーンのメッキも輝きは鈍っていますがはげはない状態でしたが

ファスナーの引き手を兼ねたシャネルのブランドロゴが入ったプレートは

文字の黒い部分がなくなった箇所があり連結するスライダーは

長年の開け閉めでメッキがはげた状態でした。

 

保管中の置き方で凹んだ箇所はありますが目立つほどではありません。

 

お客様は気になる箇所はできるだけ修理してきれいにしたいとのことで修理の箇所は

●バッグ本体の革の補修と染め直し

●チェーン・ブランドロゴのプレートの再メッキ

●可能であればファスナースライダーの交換

のご依頼をいただきました。

古いものですが手を入れれば使用感を払拭できます。

修理は縫製箇所があると通常より長くかかるため縫製修理を先に行った後

革部の修理と再メッキ加工を並行して進め納期を早められるよう進めます。

 

最初に行うのがファスナースライダーの交換となりますが

使用するファスナーですがYKK製のものを使用しますがメーカーや作られた年代によっては

互換性がない場合がありその場合はファスナーごと交換になり費用も交換よりかかる内容に

なってしまいます。

ファスナーの作動自体は問題がないのでオリジナルのパーツの維持と費用を抑えることを考慮し

交換ではなくスライダーも再メッキ加工する方法に切り替えて修理を進めました。

 

Before ファスナースライダーのメッキがはげた状態

    CHANELの文字の黒もはげていました。

After 黒い文字も「墨入れ」処理をしました。

    スライダーは作動を考え固くならないよう薄めに再メッキ加工しています。

    再メッキ加工をすると新品時と同じような状態に戻すことができ仕上がりよくできます。

After

Before

After  小さなパーツですが再メッキすると見映えが格段に良くなり使用感は薄れます。

 

ゴールドの再メッキですがメッキの種類は14金 18金 24金とありますが

元の輝きに合わせて選択します。

シャネルのゴールドの場合は18金 24金が一般的ですが輝きの度合いを考え

24金で再メッキ加工をしました。

チェーン部は革を外してみると状態がよく分かります。

Before

After

Before 

 

再メッキ加工と同時に革部の修理を行います。

工程として

●クリーニングして経年の汚れ・染み込んだ脂分を落とす

●角のすれを部分補修

 補修溶剤を浸透させて乾燥後軽く研磨して荒れた感じを抑えます。

 何回か行って周りになじむようにします。

●全体も同様に補修溶剤を浸透させてすれ・革質を改善する

●顔料(油性)の塗料を塗布して色を均一にする染め直し

●仕上げにクリアー塗装を行って色止めとツヤ感を調整する

となります。

 

チェーン部の革も同様に補修・染め直しを行っています。

 

再メッキ加工で金属パーツも新品のような輝きが戻りました。

ファスナースライダーの再メッキ加工は初めてでしたが小さなパーツとはいえ

見た目が大きく変わりました。

革部は状態がよかったので補修溶剤の効果もよく革がしっとりした感じになって潤いが出ています。

染め直しで黒い色もはっきりして自然なツヤ感で仕上がりました。

気になる箇所はすべて手を入れましたので気持ちよくお使いいただけます。

お客様にも仕上がりをご覧になってきれいになったとたいへんご満足を

いただくことができました。

長らくお待ちいただきましたがご依頼をいただきありがとうございました。

 

傷みが少ないうちに修理すると仕上がりもよく費用を抑えることができますので

傷み始めたら早めの修理をおすすめします。

 

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