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2024/08/07

【CHANEL バッグ 修理】 シャネル ミニ マトラッセ 劣化した芯材の交換 金具再メッキ 全体染め直し

こんにちは

革研究所 世田谷店です。

 

シャネル マトラッセ チェーンバッグのご紹介です。

とても古いもので素材は柔らかいラムレザー製です。

見た目からは分からないのですが芯材が劣化して中で朽ちており触るとバリバリ音がします。

全体も色あせパイピングや角はすれて色がはげた箇所もあり使用感があるので

修理してきれいにしてほしいとのご依頼です。

革部の補修に加え金具・チェーンの再メッキ加工も行いました。

 

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After   シワの感じは残りますがフラットになりました。

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シャネルのとても古いマトラッセのバッグです。

これまでマトラッセのバッグのご依頼を多数いただきましたが

最小となりとても小さくかわいらしいサイズのものでした。

容量は少ないですが必要最低限なものは入るので使い勝手は良さそうです。

 

30年以上前に購入されたそうで経年なりの色あせや角のすれはあるものの

大きく目立つ傷みはないのですが本体に触るとバリバリ音がして

中で芯材が朽ちていることが分かります。

芯材の傷みの大きい箇所は紙なので乾燥して粉状になりバッグ内側に粉が出てきてしまい

物を入れると付いてしまう状態になっていました。

 

お客様は気に入っており修理して使えるようにしようと業者を探されたそうで

当方のシャネルのマトラッセのバッグ修理事例をご覧になってお持ちいただきました。

 

修理のご希望は

●革部のすれ・色はげの補修+全体の染め直し(チェーン部の革を含む)

●芯材の交換

●シャネルロゴバッグ留め具・チェーンの再メッキ加工

となります。

 

修理は先に芯材の交換・金具の再メッキ加工を同時に行って納期を短縮できるようにします。

 

【芯材の交換】

芯材の劣化ですが中で朽ちてしまった場合新しい芯材に交換となります。

箇所は

●フラップ面

●前面・裏面

●マチ部分とつながっている底面

となりますのでバッグを解体してパーツごとにし新しい芯材に交換した後再縫製となります。

側面にチェーン部を留める丸いハトメ金具があり交換に際し外しますが再利用はできず

新しい金具に交換となりますが同じものはないので合うような汎用品を使用します。

 

芯材ですがバッグを解体してみたところ古い作りでマトラッセの格子のステッチで

革に調節芯材が縫い込んで留めてある仕様でした。

格子のステッチをすべて解いて新しい芯材に交換することは

立体的になった製品の場合できません。

 

そのため可能な方法はステッチの縫製の糸を残したまま一マスごとに朽ちた芯材を取り除き

表革と内側の革の間に板状の芯材を入れて形状を維持する方法となります。

 

その場合形は元のような形に戻すことはできますがマトラッセの格子の一マスごとの

キルティングのふくらみの再生はできないのでふっくら感はなくなることになり

見た目の感じは変わってしまいます。

 

お客様に先に修理方法と仕上がり感を説明してご了承をいただき進めます。

 

Before  芯材が中で傷んで下側がつぶれたようになってシワが入っていました。

取り除いた芯材 乾燥して触ると簡単に割れてしまう状態でした。

After  シワはなくすことができませんが形はフラットになりました。

    格子状のステッチの内側のふくらみは上記で説明したように再現できませんので

    ふっくら感はなくなります。

 

Before 

After  表側も同様です。

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新しく交換したハトメ金具

一回り小さくなりますが感じは合っています。

 

見た目の感じは変わるのはやむを得ませんが適度な硬さの芯材で形がしっかりしました。

 

【再メッキ加工】

再メッキ加工ですがゴールド色の場合 14金 18金 24金と種類がありますが

シャネルのバッグの場合 18金 24金が主となりますが今回は24金の再メッキ加工をしました。

シャネルの場合ロゴマークの部分はネジ式なので外すのが容易で加工しやすいのですが

今回のバッグは受けのひねり台座が古いものなので「ツメ式」になっていました。

 

ツメ式の場合ツメを外す際工具で起こして外しますが

細いこともあり外す際に折れてしまう可能性があります。

そうなると戻すことはできないので通常はお受けしていませんが今回芯材の交換で金具を

外さなければならず見た目もそう細くないので折れることはないと判断し外して再メッキを行いました。

 

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いかがでしょうか。

再メッキ加工を行うと新品時と同じような輝きまで戻すことができます。

下処理として研磨してキズや打痕をならすのでおおむね目立たなくすることができます。

古いものの場合再メッキ加工を行うと見た目が大きく変わるのでより使用感が薄れ

仕上がりよくできるのでおすすめしています。

 

芯材の交換が終わるとバッグ本体の革部の修理を行います。

工程として

●古いものなのでクリーニングをしてしっかり汚れを落とす。

 柔らかいラムレザーなので革を傷めないよう注意して行います。

●角やパイピングのすれ・色はげを部分補修

 軽く研磨して荒れた感じを抑え周りになじむようにし革の補修溶剤を浸透させて

 目立たなくしていきます。

●全体も同様に補修溶剤を浸透させてすれ・革質を改善する

●黒い顔料(油性)で色を均一にする染め直し

 チェーン部の革も同様に行います。

●仕上げにクリアー塗装を行い色止めとツヤ感の調整

となります。

 

傷みも少ない状態で革質もよかったので補修剤の効果もよく

革もカサついた感じになっていましたがしっとりした感じになりました。

 

革部の修理が終わると再メッキした金具を取り付けチェーン部の革を戻して

組み直し完成となります。

 

修理できる箇所はすべて手を入れましたので使用感は薄れました。

黒い色もはっきりしましたので色あせて古ぼけた感じも払拭できています。

 

気になる点は改善でしましたので気分も新たに長く使っていただけます。

通常より納期がかかり長らくお待たせしましたがご依頼をいただきありがとうございました。

 

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